【衝撃の事実】パソコン離れにテレビ離れ。スマホネイティブ世代はマーケティング担当のシゴトをどう変えるのか?
(この記事は2016年12月14日に更新されています。)
【記事要約】
私たちの身近な存在となった「スマートフォン」。この記事では、スマホがワカモノのライフスタイルに与えた影響について紹介し、また渦中にいるスマホネイティブ世代を中心に、スマホの利用率や消費行動などの独自調査を交えながら「これからのマーケティングのあり方」について考察しています。
目次:
- スマホが変えたワカモノのライフスタイルとは?
- いわゆるスマホネイティブ世代ってどうなのよ。
- 10代で加速するパソコン離れ?
- SNSが若者の消費行動に与えるインパクト
- スマホネイティブ世代ではなくスマホオンリー「時代」
この記事の参考調査レポートを見る
イマドキのライフスタイル実態調査
スマホが変えたワカモノのライフスタイルとは?
今年もう終わりですね。両親に電話すると「年賀状書かないといけないし、おせちも掃除もあって、めちゃくちゃ忙しい。」ということらしいですが、ワタシはここ5年、年賀状を書いていません。スマホにしてから、LINEなどのSNSで済ませてしまうことが多いですし、まわりもそうしてますから。実際、MRCでの調査でも年賀状を書く機会が減ったという調査結果がでています。(以下はスマホを利用する前と後で、ライフスタイルに変化があったか、10代~60代の522人を対象に調査しています)
●20代の約4割が年賀状を送る機会が減ったと回答
参照:MRC イマドキのライフスタイル実態調査
この調査によると、スマホにしてから年賀状を書く機会が減ったと回答したのは全体で38.1%となっています。(すごく減った、明らかに減った、少し減ったを含む)特に20代女性では53.5%と半数以上が書く機会が減ったという結果に。
はい。ワタシも自分の経験からして、この数字は納得しています。
●20代の約3割がスマホ利用によって、「洗濯物を雨に濡らす機会が減った」
参照:MRC イマドキのライフスタイル実態調査
そうなんです。だってわざわざテレビを付けなくてもいつでも天気がわかるから。
まだまだあります。
●30代の3割が、スマートフォンを利用するようになって「銀行の窓口に行かなくなった」
参照:MRC イマドキのライフスタイル実態調査
銀行の窓口って、ぶっちゃけいらない気がします。ネットバンキングで済むし。ATMもコンビニにありますし。
●30代の約6割が雑誌を読む機会が減った
参照:MRC イマドキのライフスタイル実態調査
雑誌、新聞など、紙媒体で見るのは確かに減りました。今では雑誌、新聞だって、アプリで見れる。ニュースアプリを見ておけばたいていの時事ネタは確認できますし。スマホってほんと便利ですね。
アラサーのワタシでもこれだけあるので、いわゆるスマホネイティブ世代ってどうなんでしょうか??
いわゆるスマホネイティブ世代ってどうなのよ。
○○世代っていろいろありますね。「スマホネイティブ世代」のことをいろいろ考える前に世代分けについてサラッとおさらいしましょう。ついでにLINEとスマホの利用率も調べてみました。
●スマホネイティブ世代を含め、世代分けをおさらい
生まれた年 | 2016年時点での年齢 | 世代名 | 特徴 | LINEの利用率 | スマホ利用率 |
---|---|---|---|---|---|
1947~1949年 | 67歳~69歳 | 団塊世代 | ・第一次ベビーブーム世代 ・第二次世界大戦後の高度経済成長、バブル景気を経験 ・人口が多い、仕事人間、集団主義、保守的 |
16.1% | 30.4% |
1950~1964年 | 52歳~66歳 | しらけ世代 | ・学生運動が下火になった時期に成人になった世代 ・世相などに関心が薄く、冷めた傍観者の様に振る舞う世代 ・金の卵、大阪万博、オイルショック、オタク第一世代 |
51.2% | 57.8% |
1965~1969年 | 47歳~51歳 | バブル世代 | ・バブル景気の時期に就職した世代 ・正規雇用が多く、非正規雇用者が少ない ・女性の社会進出、女子大生ブーム、アイドル黄金期 |
78.0% | 79.0% |
1970~1983年 | 33歳~46歳 | 氷河期世代 | ・就職氷河期の時期に就職した世代 ・ロストジェネレーション ・フリーター、車離れ、アルコール離れ、嫌消費世代 |
67.7% | 82.8% |
1987~2004年 | 12歳~29歳 | ゆとり世代 | ・2002年の学習指導要領を受けた世代 ・一人っ子が多い少子化世代 ・好景気を知らない、コスパ重視、実用性 ・携帯電話、SNS、インターネット |
76.3% | 87.3% |
1990年以降 | ~26歳 | さとり世代 | ・物心ついた頃にはバブル崩壊 ・コスパ重視、消費ではなく価値観重視 ・高望みしない、衝突を避ける |
67.3% | 90.3% |
1993年以降 ~ | 23歳 | スマホネイティブ | ・2008年iPhoneがはじめて発売されたときに15歳以下だった世代 ・インターネット、SNS、パソコンが使えない ・LINE、インスタ、MixChannel 82.1% 90.8% |
79.1% | 85.6% |
いわゆる、「氷河期世代」のあと、「ゆとり世代」ぐらいからインターネットや携帯電話がアタリマエになってきたようですね(ウィキペディアより)。「スマホネイティブ世代」については諸説ありますが、ここではiPhoneが日本ではじめて発売された2008年に15歳以下だった人ということにしています。
MRCで行った2016年10月度月次定点調査の数字を入れてますが、「スマホネイティブ世代」のスマホ利用率は 85.6%。LINE利用率は 79.1%。団塊世代と比べるとスゴイ差ですね。スマホネイティブ世代の特徴は他にもこんなところで出ています。
10代で加速するパソコン離れ?
いわゆる、「氷河期世代」のあと、「ゆとり世代」ぐらいからインターネットや携帯電話がアタリマエになってきたようですね(ウィキペディアより)。「スマホネイティブ世代」については諸説ありますが、ここではiPhoneが日本ではじめて発売された2008年に15歳以下だった人ということにしています。
「新入社員はパソコンが使えない」というハナシは、最近よく耳にするようになりました。
メディアでもいくつか取り上げられています。
「若者のパソコン離れ」が示唆する恐ろしい未来(DIAMOND ONLINE)
「最近の新入社員の中に、パソコンを使えない社員が混じっている」大学時代を通じて、スマホしか使ったことがない新生代の社会人が職場に進出してきたようだ。とにかく入力はスマホの方が速いというか、パソコンのキーボードは基本的に打てず、パソコンをベースに設計されている業務が回らない。
スマホに慣れ親しみのある「スマホネイティブ世代」は、パソコンのキーボードよりも、スマホのフリック入力の方がしっくりくるんでしょうね。
東京大学大学院情報学、橋元教授も10代のパソコン離れについて下記のように話しています。
若者のパソコン離れ、「新たなデジタルデバイドに」 橋元良明・東京大学大学院情報学環教授に聞く(日本経済新聞)
2010年を過ぎたあたりからスマホの使い勝手が非常に良くなり、11年には若者に人気の無料対話アプリ『LINE』がサービスを開始したことも影響しているだろう。20代ではまだパソコンを利用する時間も一定量あるが、とくに10代でのパソコン離れが著しい。多くの若者にとってほとんどの用途はスマホだけで足りてしまうので、あえてパソコンを持つ必要がなくなっている。
やっぱり今ドキの若者はスマホが使いやすいのでしょうかね。10代がパソコン<スマホなのはMRCでの調査でもわかります。
●10代のスマホ接触時間がパソコンの2倍以上に
参照:MRC 2016年11月次定点調査
上記はスマホ利用中の男女816人を対象に、1日にプライベートで接触するメディアの利用時間を調査した結果です。このグラフで見ると、10代は、パソコンからのネット接続が55.8時間に対し、スマホからのネット接続が132.4時間と2倍以上の差があります。また他の世代と比べても、「パソコンからのネット接続」の時間が少ないのがわかりますね。
スマホ利用率も見てみましょう。
●10代の利用率が8割越え
参照:MRC 2016年11月次定点調査
上記は2015年12月から、1年間のスマホ利用推移を世代別に表したものです。10代は2016年11月の時点で84%、60代が43%と大きく差がついています。
さらに、若者の“消費行動”に影響を与えているモノといえば、やはり「SNS」ですかね。
SNSが若者の消費行動に与えるインパクト
●20代女性の4人に1人は、クリスマスの思い出を「Instagram」に投稿
参照:MRC クリスマスの情報収集に関するアンケート
クリスマスイルミネーションごしの自分。さぞかしインスタに映えることでしょう。もはやクリスマスを楽しむというより、インスタを充実させるため?
●3割近くがクリスマス時期になると、SNSへの投稿をより意識するように
参照:MRC クリスマスの情報収集に関するアンケート
でしょうね、でしょうね。オトコもフォトジェニックなレストランやエリアを選ぶんですから。当然です。
●10代の4割以上が SNSネタとして使えるかを重視
参照:MRC スマートフォンとライフスタイルに関する実態調査
こんなときも「SNS」。そういえばもうすぐ冬休み。10代はどんな写真をインスタでシェアしようか、なんて考えているのかもしれません。
スマホネイティブ世代ではなくスマホオンリー「時代」
さて今まで、10代、20代の若者を中心に、スマホがライフスタイルにどんな影響を与えたか見てきましたがMRCの調査結果からするとこんな感じになります。
過去 | 現在 | 変化 |
---|---|---|
テレビ | スマホ | 自分の好きなコンテンツを 自分の好きなときに見れるようになった。 |
新聞 | スマホ | いつでもどこでも誰でも新しいニュースが飛び込んでくるようになった。 |
雑誌 | スマホ | お気に入りのファッションや自分の好きなものだけを 選択して見れるようになった。 |
パソコン | スマホ | インターネットやコンテンツをいつでもどこでも見れるようになった。 |
天気予報 | スマホ | テレビを付けなくても、 ニュースの時間を待たなくても、天気がわかるようになった。 |
銀行窓口 | スマホ | 窓口で待たされるストレスがなくなった。 |
家の電話 | スマホ | いつでも好きなときに 好きな人とつながれるようになった。 |
レジャー | スマホ | SNS映えを意識したスタイルに |
クリスマス | スマホ | SNS映えを意識したスタイルに |
年賀状 | スマホ | SNSで簡単に済ませるようになった。 |
スマホへの移行によって、時間や場所という制約が薄れ、好きな情報を好きなときに消費できるようになりました。さらにサービス提供者と消費者間の、情報の非対称性もやわらぎました。その結果として、新たな「マッチングの機会 」が発生するようになった、とも考えられそうですね。
そして、忘れてはならい事実としては「スマホネイティブ世代」の85%以上がスマホを利用しているということ。そして、現在20代前半の彼らはあと数年で30代。所得も増え、コアな消費者になるとういこと。
つまり。
マーケティングの主戦場が「スマホオンリー」になるのは、もう数年後。
いいですか?数年後ですよ。
スマホを主戦場とした消費行動のメカニズムはいまのうちから調査でつかみましょう。
今回調査した結果は、下記からご覧いただけます。MRCでは毎月、モバイルの利用率を定例で調査しておりますので、是非参考にしてください。
更新情報を
WEBプッシュでお届けします。