おすすめマーケティング記事 おすすめ 2016.09.12

【超重要!】”シニア市場”とか言ってるけど、シニアのことを考えているの? マーケティングを考えるうえでとっても大切なことを教えます。

【記事要約】
この記事ではシニアマーケティングについて、その市場規模や事例をおさらいしながら、真の「UX(ユーザー体験)」を提供するには何を考えるべきか?という点をアンケート調査などを活用して掘り下げています。

目次:

シルバーウィーク、みなさんいかがお過ごしだったでしょうか。

敬老の日、私もいちおう母親にご機嫌伺いの電話をしておきました。そしたら、いつものように「孫に会わせろ」コールがすごいので、「デジタルフォトフレームでちょっと我慢してよ。」と切り返したところさらにこう切り替えされてしまいました。「やり方がわからない」と。

シニアの「フォトフレームは使えないけどケーブルTVの複雑リモコンは使える」ということの問題。

 

マーケッターのみなさんは、「シニアマーケティングは難しい」って言いますね。でも、マーケットの前に、シニア自体も難しい……。

フォトフレームを使いこなせない母親ですが、実は知り合いに勧められて加入したケーブルテレビはサクサク使いこなしている様子。知ってます?ケーブルテレビのリモコンって、宇宙船が操縦できるんじゃないかぐらいボタンがたくさんあるんですよね。それが使えて、なぜフォトフレームが使えない???

たしか「親世代へのプレゼントに最適」的なことが書いてあったんだけどなぁ。これがシニアマーケットの難しさなのでしょうか……。

今回は、この不思議な「なんでフォトフレームは使えないのに、ケーブルテレビの複雑リモコンは使えるのか問題」を通して、シニアマーケティングを考えてみたいと思いますが、その前にちょっとおさらい

この記事の参考調査レポートを見る

モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査 (2016年7月度)

 

シニア市場の基本と課題をおさらい

 

百戦錬磨のマーケッターでも「難しい」と嘆くシニア市場。それでも、次から次へと参入する企業が絶えないのは、マーケットが大きくて、しかもこれからもっと大きくなる可能性があるからですよね。

少子高齢化で、爆買いも終わり、ほんとに東京オリンピックが終わったらどうなるんだろう、という日本で、光り輝いているのはシニアマーケットぐらいといってもいいでしょう。

まず、人数。総務省統計局が2014年の敬老の日に発表した資料によると、日本の総人口1億2726万人のうち、高齢者とされる65歳以上(年金をもらえるようになると高齢者ということですね)は3186万人。ほぼ4人に1人が高齢者。

さらに、今後はもっとすごいことになります。2政府による「将来人口推計」では、2035年には3741万人、3人に1人が高齢者になるのだとか。介護や医療の負担激増が問題になりますが、一方でシニア市場はそれだけ大きくなるとも言えますね。

 

シニアマーケティング01

●資料出所●
総務省統計局『統計トピックスNo.72 統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)-「敬老の日」にちなんで-』

 

シニアマーケティングで対象になるのは、その人数だけでなく、世帯数も大きい。それでいくと、高齢者のいる世帯は現在2089万世帯で、世帯全体(5230万世帯)の 約4割にも達します。

さらにデータを見てみると特に高齢者の単身世帯の増え方がスゴイ! 全体の世帯数は5年前の5%増なのに、高齢単身世帯は33.3%増と、6倍の伸び。たぶん高齢者がいる世帯の割合はすぐに半分を超えるんじゃないでしょうか。

 

シニア家計資産

●資料出所●
総務省統計局「平成25(2013)年住宅・土地統計調査」

 

高齢者は数が多いだけでなく、資産を持ってます。ここポイント。

世帯主が60歳代だと平均資産が4802万円と、若年世代を圧倒する額。まだ退職金はそれほど減っていないし、家を買ったのはバブル前の安い頃。ちょっとナットク。

しかも、一握りの大金持ちが葉巻吸いながら高笑いしている状態ではありません。

金融資産だけで見ても、60代だと約半数が1500万円以上の資産を持ち、70歳以上でも3分の1が2000万円以上の資産を持っています。うらやましい。

 

シニア家計

●資料出所●
総務省「平成26年全国消費実態調査 家計資産に関する結果」

 

お金絡みでは最後に、最近の高齢者はネット通販もつかいますよー、というデータも。高齢者世帯のネットショッピング事情はというと、利用した世帯の割合も、金額もかなり増えていることがわかります。他の年代と比べると、PCからの利用が多いとか。

 

シニアネットショッピング

●資料出所●
総務省「家計消費状況調査」

 

こう見ていくと、シニア市場に期待する理由が鮮明になりますね。

 

シニア向け商品はゆっくり進化させるべし

 

では具体的に、シニア市場でうまくやっている企業はどこか、よく挙げられるところを見ていきましょう。

 

「カーブス」(スポーツクラブ)

 

高齢女性にターゲットを絞ったスポーツクラブ、カーブス。女性専用、予約不要、30分間フィットネスをうたって、プールもシャワーもない狭いスペースで展開し、わずか10年で1600店舗、会員数73万人の巨大企業になりました。会員はほとんど高齢者か高齢者予備軍だそうです。

 

「ダイシン百貨店」

 

近年は多店舗化の失敗もあって業績が低迷してドンキホーテに買収され、2016年6月には「MEGAドン・キホーテ大森山王店」として再スタートしたダイシン百貨店。高齢者に優しい数々の戦略で、一時は純利益率でセブン&アイ・ホールディングスを超えてました。客からリクエストがあれば仕入れ続けるので棚には漬け物だけで200種類も並べ、商品一個から宅配する徹底ぶりです。

成功のポイントは、高齢者に多い「新しいものへの不安」をやわらげていることでしょうか。母親を見ていても思いますが、慣れ親しんだものを好んで使い続けることが多いみたい。新商品を開発するにしても、今までのスタンダード商品の使い勝手を残しながら、新しいものを導入していくのが良いのかも。

たとえば、スマートフォン(スマホ)。

MRCのモバイル&ソーシャル月次定点調査(2016年7月度)によるとスマホの利用率は72.2%、ガラケーの23.5%を大きく上回ります。しかし60代になると50%を下回り、10代の9割と比べてかなり差が開いています。

 

●60代になるとスマホの所有率は格段に下がる

 

シニアスマホ所有率

 

年齢が進むごとに新しいものへの抵抗感が強くなることを示した調査もあります。

 

●60代の4割以上が新しいデバイス発売時、「操作方法を覚えること」に抵抗感あり

 

シニアの抵抗感

 

少し前のものですがスマートフォンより携帯電話のほうが使いやすいと感じている、という調査結果も。

 

●操作しやすいのはスマホよりガラケー

 

シニアのスマホ操作

 

これは、ガラケーのほうがそれまで慣れ親しんできた「電話機」に見た目や操作感が近いからではないかと思います。。

フォトフレームはそういう意味で高齢者にフィットしていないのかもしれません。

 

 

こんな感じで、使えていないのはウチの母親だけじゃないみたいですね。

高齢者は新しいものへの不安がある。それを解消してあげないといけない。でも、本当にそれだけでいいんでしょうか?実は、少し違った観点でアプローチしている例もあります。

 

“あの頃の青春”への憧れはいつまでも変わらない。

 

フォトパネルは使えないが、ケーブルテレビの複雑リモコンは普通に使えている母親。ケーブルテレビのリモコンは複雑とはいえ、慣れ親しんだテレビのリモコンだからいいのでしょう。

もしかしたらそれは昔の体験が影響を与えているのかもしれません。

母親が一番輝いていた時期、それはおそらく家庭を築き、子どもを育て、仕事もばりばりこなしていた30代や40代の頃でしょう。その頃に関わったり、熱中したりした「体験」が、母親たちの世代にとって最適なUX(ユーザー・エクスペリエンス)なのではないでしょうか。人は「あの頃の青春」をいつまでも心の中に持ち続け、それが体に染み込んでいるのかもしれないですね。

テレビのカラー放送が始まったのが1960年、ハイビジョン放送は1990年にスタートし、そのころから「テレビリモコン」が当たり前に。その年のNHK紅白歌合戦の視聴率は51.5%。まさにTV全盛期です。そして今年66歳になる私の母親は40歳。子育て、仕事真っ最中で、まさに「輝いていた」時期。そう考えると、「フォトパネル使わない問題」がなんとなく理解できた気がしました。

彼らが最も熱中した時代の文化、デバイスを活かしたUXを提供することが「真のシニア向け」ではないでしょうか。

 

「まごチャンネル」に垣間見える真のシニアマーケティング

 

そのあたりを理解していそうな、「真のシニア向け」サービスをみつけました。

 

「まごチャンネル」

まごチャンネル

 

https://www.mago-ch.com/
スマホで撮った子どもの動画と写真が、そのまま実家のテレビへと届けられるサービス。信じられないくらい手軽に、実家のおばあちゃんおじいちゃんに子どもの日常を届けます。

まごチャンネルの特徴は、「テレビのリモコン」で操作できるということ。それまで慣れ親しんだデバイスで子供の動画と写真を楽しむことができます。
フォトフレームとは違い、テレビのリモコンを使い、テレビ画面で見る。これなら、ウチの母親でも使えそうです。

慣れ親しんだUXでより良いベネフィットを提供する。これはシニア市場で使ってもらうための、ひとつの解決方法だと思います。

今後、同じような事例を見つけたらまた報告しますね。
今回紹介したMRCの調査データは下記からダウンロードできます。

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