おすすめマーケティング記事 2016.11.30

【 検証 】定性調査と定量調査を使って自社WebサイトのCVRを1.5倍にしてみた。

【記事要約】

この記事では最近よく耳にすることが多くなった「定性調査」について、「定量調査」との違いを紹介しながら、MRCのサイト改善で実際に行った事例を通して、その活用方法について考察しています。定性と定量の両方の手法を用いて、WebサイトのCVRが1.5倍になったその具体的な方法とは?ぜひ参考にしてください。

 
 
目次:

この記事の参考調査レポートを見る

【モバイルフレンドリー調査】スマホ対応でCVは上がった?


 
Webマスターとしてのワタシの朝一番の仕事は、Googleアナリティクスを見ること。チャネルやデバイスごとのセッション、直帰率、CV数、はたまた流入キーワード、いろんな指標を見て、必要に応じて対策を施したりと、PDCAを回していきます。つまりはWebサイトの健康状態を「定量的に」診断しているワケです。
 
でも、意外とそれだけじゃわからないことが多いんですよね。たまに、ユーザーさんに話を聞いてみると、Googleアナリティクスの数字からは気付けなかった「新たな発見」があります。
 
それがいわゆる「定性的な情報」。最近この「定性」あるいは「定性調査」という言葉をニュースや記事でもちらほら目にする機会が増えています。なんで今「定性調査」が注目されているんでしょうか? 調べてみました。
 
まずは「定性調査」についてのおさらいです。知っている人はMRCで行った施策の実例まで飛ばしてください。
 

 
 

SNSの普及で「定性調査」のニーズが高まる

 
定性調査が注目されている理由は、スマホの普及と、SNSの普及という両輪が大きいようです。消費者にとって、商品やサービスに対する評価の場としては、今までは友だちに口頭でしゃべったり、電話で話したり、あるいはネット上の比較サイトなどが主流でした。。でも今や、それが、スマホやSNSの普及によって一変しました。Twitterでは商品に関するホンネを匿名で誰でも手軽に投稿できます。Facebookでは「いいね」に尺度がつきました。今まではユーザー同士のコミュニケーションの中で埋もれていた「ガチな評価」を、企業は嫌でも目にしてしまうワケです。
 
仮・スマホを使用しているイメージ
 
もちろん良い評価もあるでしょうが、悪い評価もある。ただ、悪い評価はやたらと目立つんですよね。上司に「どういうことだ!」って問い詰められたりすることもありますし。見える化したことで、今まで気がつくこともできなかった「なぜ?」に企業が向き合う必要性が出てきたんですね。
 
いっぽうで、その「なぜ」を掘り下げたり、ホントのとこどうなのかという真意をくみ取るには、Googleアナリティクス的な「定量調査」だけでは難しいことが多いのも事実。
 
だからこそ今、消費者の「なぜ?」を探るような「定性調査」が注目されているんですね。
 

 
 

定性調査と定量調査の違いって?

 
では、具体的な「定性調査の手法」や「定量調査との違い」について見ていきましょう。
まず、定性調査と定量調査、両方の定義から。その違いはこんなイメージです。
 
定性調査について
 

●定量調査とは

 
対象となる人や現象(天気とか)について、数や割合、変化などを「数字=量」で表せるよう設計する調査のこと。グラフにできる調査とも言えます。
 

代表的な手法

・アンケート

ネットリサーチ、電話調査、訪問調査、郵送調査、FAX調査、街頭調査、会場調査(CLT、イベント会場など)、ホームユーステスト(HUT、自宅でお試し)など

・調査ツール、センサー

Googleアナリティクス、GPSやセンサーの検知データを収集

 

メリット

・基本はYes・Noや択一の質問なので回答者が答えやすく、数が集まりやすい
ネットリサーチの登場で調査が簡単&ローコストに
・アウトプットが数字なのでわかりやすく、過去との比較や年齢層別のクロス集計なども簡単
・数字は他人への説得力が増すので、事業計画や結果報告に信憑性を与える

 

デメリット

・サンプルの抽出方法や質問の文章など、調査設計によって大きく結果が変化してしまう
・数値の解釈ができないと、ただの数字の羅列になってしまう

 

用途

・意識調査、使用実態調査、仮説の量的検証など

 

●定性調査とは

 
対象者の意見や行動、状態や観察者の印象などを収集する調査手法。深層心理を探る調査とも言え、定量調査の答えの奥にある真意を深く掘っていくイメージです。
 

代表的な手法

・フォーカスグループインタビュー(FGI、座談会)、インデプスインタビュー(IDI、面談)
・訪問観察調査(家庭訪問)、店頭調査(ショップアロング)、行動観察調査(オブザベーション調査)、エスノグラフィ(フィールドワーク、長期間の行動観察)、ソーシャルエスノグラフィ(SNS投稿観察)など

 

メリット

・潜在的なニーズ、言葉になっていない新しい動きを抽出できる
・個性的で多様な視点や意識、生活様式などを発見できる
・リアリティのあるヒントを得られる

 

デメリット

・サンプル数が少ないので、統計的には信頼性がない
・人集めや会場設定、報告書作成などの手間が必要なのでコストがかかる
・調査設計者、インタビュアーの能力によって結果が大きく左右される
・テーマによっては本音が引き出しにくい

 

用途

・コアターゲットの生の声抽出、レア層の意見収集、定量調査の質問・選択肢・仮説設定、問題点抽出、消費者の実態調査、新視点抽出

 
いかがでしょうか。ざっくりいうと、数字によってトレンドを把握したり、仮説を検証したりするのは「定量調査」が向いていて、その理由や新たな発見をするのには「定性調査」が向いているといえます。
 
では、マーケティングの現場で実際に「定量調査」と「定性調査」を活用するにはどうすればいいんでしょうか? 今回は、ワタシ自身が体験したこのMRCサイトのナマのケーススタディを元に紹介していきます。

 
 

スマホ対策してCVアップ!のはずが・・・?

 
MRCでは、毎月「定量調査」として、「モバイル&ソーシャル月次定点調査」を行っています。「スマートフォン・タブレット・PC」どれでインターネットに接続しているのか?、「SNSを含むWebサービス」で今どれが人気か?、テレビ・ラジオ・インターネットは何時間ぐらい見ているのか? といった”モバイルとソーシャルメディアの利用状況”をまとめています。
 
fa_report-monthly-20161102-pdf-000001
 
参照:参考調査 モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2016年10月度)(2016.11.2)
 
この調査からは、スマホによるインターネット接続はノートPCを抜き、首位の座を快走していることがわかります。まぁ、電車の中、カフェの中、オフィスでも、周りを見ていれば納得できますよね。
 
 
参考調査 モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2016年10月度)(2016.11.2)
 
参照:参考調査 モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2016年10月度)(2016.11.2)
 
MRCのサイトでも、モバイルのアクセスは増えています。特に、Googleが2016年4月から開始した「モバイルフレンドリー アップデート」以来、モバイルでの流入数は確実に上がっています。このアップデートは、モバイルで見やすい、使いやすいサイトの検索結果順位が上がるアルゴリズム改訂で、多くの企業がこぞって「レスポンシブWeb対応」を行ったのは記憶に新しいところ。
 
Googleウェブマスター向け公式ブログsc
 
参照:「Googleウェブマスター向け公式ブログ」
 
仮・スマホ対応の実態とその成果
 
マーケターにこのスマホ対応の実態とその成果を聞いた、「モバイルフレンドリーに関する実態調査」を見てみると、「モバイル対応後」スマホのコンバージョン(CV)も伸びてきていることがわかります。(増えたが17.8%、やや増えたが32.4%)
 
モバイルフレンドリーグラフ
 
参照:参考調査 モバイルフレンドリーに関する実態調査【2016年度版】(2016.4.14)
 
と、言うことは、「Webサイトをスマホ対応すれば、とりこぼしていたCVが増えるはず!」とワタシは強く思いました。幸いにもMRCのサイトはWordPressで構築しており、「レスポンシブ対応」は比較的容易にできます。さらにサーチコンソールからモバイルフレンドリーテストを行い問題ないことを確認した後、さてCVはどれだけ増えただろうと、ニタニタ笑っておったのですよ。
 
ちなみにスマホ対応前の数字はこちら。Googleアナリティクス画面の一部です。MRCにおけるCVは無料で配布している自主調査レポートのPDFダウンロードです。デスクトップトラフィックに比べてモバイルトラフィックの「CVR」が5分の1程度という具合に、大きな開きがあることがわかります。
 
cvr
 
当然、モバイル対応をしたので、CVRが改善し、CVも伸びると思ったのですがCVRは思ったほど伸びませんでした(プラス9.62%といちおうは改善)煮え切らないというかパッとしないというか・・・。なんでだろう??
 
cvr2
 

 
 

定性調査で発見した「ユーザーインサイト」

 
そこで、思ったように成果が上がらない理由を探るべく、「定性調査」として、実際にユーザーにインタビューを行いました。過去に自主調査レポートをダウンロードいただいた数人の顧客に1対1で、MRCのサイトをどう使ってくださっているのか、スマホとPCではどう使い分けているのかなど、じっくりと伺いました。
 
そこでわかったことは以下のとおり。
 

・MRCは情報収集として使用している
・最初は会社での情報収集の最中にデスクトップでアクセスした
・その後は結構モバイルで見ることも多くある
・比較的旬な話題が多いので、モバイルでFacebookのグループへシェアすることもある
・Feedlyでフォローしているので気になった調査は後でデスクトップでDLする
・調査レポートをダウンロードするのはデスクトップの方が多い
・モバイルではそもそもPDFはダウンロードしない
・PDFダウンロードではなく画像などのデータをWeb上で見るのはたまにある

 
いろいろとタメになるお話が聞けました。一番の収穫は、「スマホではそもそもPDFのダウンロードは行わない」という「新たな発見」です。
 
言われてみれば当たり前ですね。ワタシも電波がヨワいときにスマホで数メガもあるPDFをダウンロードしてしまって、舌打ちしたことありますから。
 
そこで、CVの設定対象を「PDFダウンロード」から「調査結果の閲覧」に変更しました。MRCとしてもPDFだろうがWebだろうが、調査結果を閲覧していただく、という目的は同じなので。
設定変更とサイト改善を行い、今度はニタニタせずに待っていたところ、CVR(コンバージョン率)が大幅に増加(プラス55.6%)!!思わずガッツポーズが出ました。
 
cvr3
 

 
 

マーケティングには定性&定量の二刀流で

 
さて、手前味噌なMRCの例を見ていただきましたが、全体像をつかむ「定量調査」だけでは発見できない新たなインサイトや深層心理を探るのに「定性調査」はとても有効です。
 
ネットリサーチなどでできる定量調査と比べると、手間やコスト、集計までの期間、インタビュアーのスキルなど、いち企業のマーケティング担当がさくっと実施するには結構ハードルが高いですけど、取り組む価値は大いにあります。
 
どちらか一方に絞るのではなく、定量調査でトレンドや仮説立てをし、定性調査で「インサイト」を発見する。もしくは、定性調査で新しい視点を見出して仮説立てをして、定量調査で市場規模を探る。そんな「二刀流」がいいのではないでしょうか。
 
MRCでも、参考までにMRCのCVR改善施策で活用した「モバイルフレンドリーに関する調査【2016年度版】」を用意しましたので、ぜひ施策に役立てていただければと思います。
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