おすすめマーケティング記事 2017.01.14

【 勝ち組予想 】 消える系SNS、勝つのはSnapchatか、SNOWか、Instagram Storiesか。エフェメラル・マーケティングを事例付きで分析

【記事要約】
2016年、スナチャをはじめとしたエフェメラル系SNS(消える系SNS)がマーケティング界隈で話題になりました。エフェメラル関連を専門に扱うオウンドメディアもでてきています。海外では勢いをましているエフェメラルSNSブームですが、果たして日本では今後どのような展開を見せるのでしょうか?さまざまな調査や事例から分析してみました。
 
 
 
目次:

 

 
 
 

最近話題のエフェメラルって?

 
マーケティングの世界で「エフェメラル」という言葉がじわじわ話題になっています。「消える系」という言葉とセットになって使われることも多いですね。
 
英字だと「ephemeral」。はかない、つたない、短命の、といった意味です。
 
投稿がすぐ消えてしまうSNSのことを「エフェメラルSNS」「消える系SNS」と呼び、FacebookやTwitterといった“消えない系”SNSに疲れた若年層を中心に人気を集めているんです。ちょっと笑える写真や、動物の顔に加工して撮影したセルフィー(自撮り)を投稿し、友だちにちょっと笑ってもらってると、投稿が消えてしまうという仕様。
 
 
代表的なエフェメラルSNSは3つあります。
 

<1>元祖エフェメラル「Snapchat(スナップチャット)」

Snapchat

引用:Google Play Store
 
早くからエフェメラルSNSの世界を切り開いてきた、「スナチャ」。アップした画像や動画が閲覧されると、「最長10秒後」に自動的に消える変わったアプリとして、2011年にアメリカでサービスが始まり、おふざけティーンエイジャーに熱狂的に支持されて、世界へ広がりました。今ではホワイトハウスも公式アカウントを持っているとか。
 

<2>変顔写真で大人気「SNOW(スノー)」

SNOW

引用:Google Play Store
 
もともとはセルフィー写真に犬の耳や鼻を付けるなど、変顔をつくれるカメラ&写真加工アプリとして人気になったスノー。2015年に韓国でスタートしたアプリです。撮影時のデコレーション機能だけでなく、SNS機能もあり、アップする写真やメッセージは24時間後に自動的に消えます。
 

<3>クール系アプリにも「Instagram Stories(インスタグラム・ストーリーズ)」

Instagram Stories

引用:Google Play Store
 
オシャレ系女子の強い人気を集めるインスタは、写真共有SNSとしては2010年スタート。スナチャより早いんですが、エフェメラル系としては2016年から。「ストーリーズ」という新機能で、タイムラインに掲載した写真や動画は24時間後に消えます。ダイレクトメッセージで送った写真が自動で消える機能もあります。
 
 
流行っている今となっては当たり前に聞こえますが、それまでのネットサービスはSNSだけでなく、ブログにせよ、写真サービスにせよ、情報をためていくのが大きな目的のひとつでした。そこに出てきた「エフェメラル系」。どうやって流行ったのでしょうか。その変遷を見てみましょう。
 
MRCでは、密かに2014年ごろからウォッチしていました。(自慢)。

 
 
 

日本でのエフェメラルSNSの変遷をまるっと紹介

 
MRCでは、Snapchat(スナチャ)が日本に入ってきてまだそれほど経たない、2014年3月にも実は利用状況の調査をしています。この時点ではスナチャの利用率はわずか2.5%
 
Snapchatの利用状況

参照:モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2014年3月度)
 
スナチャ以外にも、エフェメラル系SNSはいくつかあったのですが、そこからほとんどのアプリは姿を消し・・・
 
コミュニケーションアプリの利用状況

参照:モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2014年3月度)
 
 
2016年3月の再調査では、消える系エフェメラルなアプリの利用率は10代~20代で10.9%に急増。その中でもスナチャは7割近くと圧倒的!
 
利用中のエフェメラルSNS

参照:エフェメラル(消える)系SNS利用実態調査
 
それが2016年10月の調査では、半年前には選択肢もなかった「SNOW」がトップ! インスタのストーリーズも猛然と追い上げています。
 
現在利用している消える系SNS

参照:「消える系SNS」の利用に関する実態調査
 
これだけ新規参入が続くのは、やはりジャンル自体に勢いがあるから。その勢いは、マーケティングにはどのように活用されているのでしょうか。

 
 
 

エフェメラルマーケティング活用事例

 
エフェメラルをマーケティングに上手く活用した事例は、まだ日本では少ないので、海外の事例を中心に見てみます。逆に言うと今ならパイオニアになれるので、チャンスということ。
 

●1日で2億人以上が見た「タコベル」のキャンペーン

 
logme

引用:「logme」(2016.10.27)
Snapchat発のスターを生み出す 松村淳平氏が取り組む、新時代マーケティング

 
タコスチェーンのタコベルが、スナチャを使って行ったエフェメラル・キャンペーン。スナチャには、LINEで例えると公式スタンプのような、レンズという撮影効果を企業が提供するコーナーがあります。タコベルはメキシコの祝日に合わせて、撮影すれば顔をタコスに変身させるレンズを公開。これが若者の間で大ヒットし、1日で2億2400万ビューを記録しています。
 
 

●スナチャに落書きをアップしてインターンを募集

 
convince&convert

引用:「convince&convert」5 Creative Ways Brands Are Using Snapchat
 
レストラン系フードデリバリー会社、GrubHubはマーケティング部署で、スナップチャットが使えるスキルを持ったインターンを募集するためにスナチャそのものに6枚の画像をアップしました。
 
左上→右上、左下→右下という流れになっています。要約すると、
ニュース聞いた?
GrubHubが、スナチャを使えるインターンを探してるんだって
もう〆切まで時間がないよ
ステップ1)一番気の利いた落書きを撮影しよう
ステップ2)5月9日までにこのアドレスに送って
落書きを楽しんで!
 
スナチャを使える学生インターンを募集し、選考するには最適な方法でしょう。
 
 

●ElleのEXILE・AKIRAを使ったSNS横断キャンペーン

 
ElleのEXILE・AKIRAを使ったSNS横断キャンペーン
▲Instagram
 
▼Snapchat
ElleのEXILE・AKIRAを使ったSNS横断キャンペーン

引用:「COMPASS」(2016.08.29)
ELLEとCOMPASSが考える、雑誌社がすべきSNSとの向き合い方とは「オフライン、オンラインという発想もダウントレンド」

 
最後は珍しい日本の事例を。Instagramがメインではあるものの、スナチャも加わり、エフェメラル要素も入った、ELLE ONLINE 20周年キャンペーン。EXILEのAKIRAとデートしている気分が味わえるコンテンツがFacebook、Twitter、Instagram、Snapchatの4つのSNSそれぞれに合わせて配信されました。エフェメラルなスナチャには、撮影当日に舞台裏のリアルタイム配信。混乱を避けるため、配信日は事前に明示されなかったものの、フレンド数は1000を超えたとか。

 
 
 

なぜ今、エフェメラルなのか?

 
事例をいくつか紹介しましたが、「ぶっちゃけ消える系の良さがよくわからない」と思った方も多いんじゃないでしょうか。おバカ系は避けて、かなりビジネス寄りの事例を選んだというのに、「顔がタコスになって、で??」という声が聞こえてきそうですね。
そこは使用するユーザーの心境になって考えてみる必要がありそうです。エフェメラルの魅力を順にひもといていきましょう。
 
 
「せっかく作ったメッセージも写真も動画も消えてしまう」ことは、送る側とすれば気軽にふざけられるし、受ける側とすればしつこくない、気楽で、これが逆に魅力のひとつになっているといえます。
 
MRCの調査でも、消えるからこそ、「気遣いをせず」、「思い切った内容を投稿できる」、「疲れない」という像が浮かび上がってきます。
 
エフェメラルSNSについて

参照:エフェメラル(消える)系SNS利用実態調査
 
とはいえ、スクリーンショットを撮る人は結構多いですね、毎回+内容次第で残す、で7割近くです。「残る」となるとうざいけど、「消える」となるともったいなくなるわけですね。わかります。
 
スクリーンショットについて

参照:エフェメラル(消える)系SNS利用実態調査
 
消えてしまうからこそ、見ておきたい欲も出てきます。エフェメラル系アプリのプッシュ通知があると、「優先的に開封する」人が4割もいます。
 
プッシュ通知について

参照:参照:エフェメラル(消える)系SNS利用実態調査
 
そうして、利用頻度が上がり、4割以上が“エフェメラルSNS”をほぼ毎日利用しているとか。
 
消える系SNSの利用頻度

参照:「消える系SNS」の利用に関する実態調査
 
 
アメリカほどではないにしても、日本でこれほどまで使われるようになったのは、「自撮り文化の定着」が理由だと分析するメディアもあります(kakeru「エフェメラルSNSラボ」)。韓国から入ってきた「自撮り棒」の大ヒットで自撮り文化が定着し、インスタをはじめとする画像系SNSがヒット。撮って加工してからアップという流れができた。が、撮影→盛る(加工)→投稿という工程に窮屈さを感じたワカモンが、「加工しながら撮ってそのままアップ」というエフェメラルSNSに飛びついた、という流れらしいです。
 
 
自撮り文脈

引用:参照:「kakeru」(2016 07.13)
消える系SNS、オワコン化させないカギは「場面」で「自撮り」!?|エフェメラルSNSラボ(連載01)

 
 
「投稿が消える」というのは、リアルタイム感、今だけ感は出るものの、もっと沢山の人に見てほしい、という逆の思いもありそうです。それはMRCの調査結果で、「7割以上が、自分で撮影した“エフェメラルSNS”のスクリーンショットを他SNSへ投稿」することからもわかります。
 
他のSNSへの投稿

参照:「消える系SNS」の利用に関する実態調査
 
 
そうなると、いろいろなアプリを使うのを面倒だと感じる人もけっこういるでしょう。いずれまた「エフェメラルSNS」も淘汰されていくと思います。さて、話題の「エフェメラルSNS」、最終的にNo.1プラットフォームになるのどのプレイヤーなんでしょうか?

 
 
 

エフェメラルSNSの勝者は?

 
さきほど紹介した「エフェメラルSNSラボ」では、「消える系SNS」の流行を、自撮り文化の定着と変身願望(盛り文化)が原因だと分析していました。
 
ただ、もっと言うと、日本にはすでに「プリクラ文化=盛り文化」がありました。ここが海外との大きな違い。海外ではスナチャなどは「エフェメラル系SNS」の名の通り、消えてしまうはかなさゆえの「気軽さ」という文脈で使われてます。
 
一方、日本ではSNOWのワンコ・エフェクトに見られるように、「自撮り」と「盛り」の文脈で使われてます。それがただ決まった時間(10秒後とか24時間後とか)で消える、ということ。つまり、「自撮り」のあとに「エフェメラル」の流れが来たわけです。
 
テキスト中心だったSNSを画像中心にし、日本独自の「盛り」文化と「自撮り」文化を取り込んでユーザーを増やしたのが、「インスタ」。そういう意味では「インスタ」がストーリーズを導入したことは大きな意味があると思います。
 
実際にこんな調査結果があります。「Snapchat」利用者の約3割が「Instagram Stories」に乗り換えを検討しているというデータです。
 
Snapchat利用者の乗り換え意向

参照:「消える系SNS」の利用に関する実態調査
 
コレを見ると、今後「エフェメラル」のトッププレイヤーとして「日本で」生き残っていくのは、「インスタ」ではないでしょうか。
 
また、投稿が「すぐに消えてしまう」(最長10秒)というスナチャの「超エフェメラル」は、まだ日本の若者には完全に受け入れられていないと、個人的には感じています。まだまだ自撮り文化の延長線上。
 
この「超SNS」が日本の「エフェメラル文化」にどのような影響を与えるのか、それはそれでとても興味深いとも感じてます。今後も注目していきたいですね。
 
 
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