おすすめマーケティング記事 おすすめ 2017.02.01

【まとめ】「マーケティング・リサーチ」入門~代表的な手法と調査時の注意点などをまるっと解説~

【記事要約】
この記事は、これから「マーケティング・リサーチ」に取り組もうとされている方を対象に、「マーケティング・リサーチ」の代表的な手法やメリット、デメリットを紹介し、調査前の準備段階で意識すべきことから、調査票の作成方法、その後の活用方法までを幅広く解説しています。ぜひ「マーケティング・リサーチ」の実務に役立てていただければと思います。
 
 
 
目次:

 
 
 
近年、自社の商品開発における市場調査や、他社へプレゼンテーションを行う際のエビデンス、またコンテンツマーケティングのひとつの手法として「マーケティング・リサーチ」の需要が、ますます高まっています。

JMRA日本マーケティング・リサーチ協会 第41回経営業務実態調査

参照:JMRA日本マーケティング・リサーチ協会 第41回経営業務実態調査
 
 
上記は、JMRA(日本マーケティング・リサーチ協会)が、2016年7月21日に発表した調査結果を参考に、グラフ化したものです。こちらを見ると、マーケティング・リサーチの市場規模が年々上昇傾向であることが、おわかり頂けると思います。一方で、はじめて「マーケティング・リサーチ」に取り組まれる多くの方にとっては、まだ敷居が高いという話もよく耳にします。どんな調査手法あるかわからない、何から始めたらいいのかがわからない、など、特に「インハウス(他社に依頼をせずに自社で調査を行う)」で調査をする場合は、自社にとって最適な調査方法を見つけるまでに、担当者が学ぶべき項目は多岐にわたります。さらに、必死で考え、調査手法を検討し、実際に調査をして得られた結果が「全然意図した調査結果ではなかった」となれば、それまでかけた多くの費用も時間もムダに終わってしまいます。以降の章では、複雑多岐にわたる「マーケティング・リサーチ」をわかりやすく整理するとともに、基本的な調査のノウハウについてご紹介します。

 
 
 

「マーケティング・リサーチ」の基礎
〜手法やメリット、デメリットを整理〜

 
 

マーケティング・リサーチとは?

 
「マーケティング・リサーチ」とは日本語でいうと「市場調査」です。自社のマーケティング活動をおこなう為に、様々な情報を集め、分析し、施策などに活かすことを指します。
ではまず、最初にその代表的な手法を紹介していきましょう。
 
 

マーケティング・リサーチの代表的な手法

 

定量調査

調査結果を、比較や集計可能な数値として表現する手法で、一般的にはグラフや表などで構成されたレポートをアウトプットします。例えば、Aという商品がどれくらいの数、認知されているか(認知度)、どの年代に利用されているか(年代別利用率)などを明らかにするために使う調査方法となります。通常、1回の調査に約100~1000ほどのサンプル(回答者)を利用します。代表的な調査方法は下記になります。
 

アンケート調査

 

・訪問調査

調査対象者の自宅へ訪問しアンケート調査を実施
 

・電話調査

調査員が電話で対象者にアンケート調査を実施
 

・FAX調査

アンケートをFAXで送付してもらう形式
 

・インターネット調査

インターネットを利用した調査で、調査票の作成から実査、集計までを自社で行う「セルフ型」と、全て専門会社に依頼して行うタイプがある。
 

・街頭調査

街頭などの人が多いところで、対象者を見つけ、直接アンケートをおこなう調査。事前に用意された対象者ではないので、調査に時間がかかる場合もある。
 

・郵送調査

調査票を対象ユーザーに郵送し調査する。

 

会場調査

会場で調査対象者に製品などの感想を回収しデータ化する
 

ホームユーステスト (HUT)

ユーザーに家庭で商品を使用してもらい、使用した感想など調査する手法。ユーザーに調査票を返送してもらうか、調査員が直接訪問し、回収するパターンがある。

 
 
定量調査のメリット
 

定量調査のメリット

・調査結果が数字として現れるので、説得力がある
・多くのサンプル(回答者)を得られるので、比較的誤差が少ない
・多くのサンプルを短期間で回収できる
 
 

定量調査のデメリット

・設問文や選択肢の書き方など、調査設計によっては結果が変化する
・統計知識がないと、数字の理解に時間を要する場合がある
・アンケート調査の場合、質問に対する回答しか得られない
・調査によっては時間がかかり、アンケートの回収が困難なものもある
 
 

定性調査

定量調査とは違い、数字では表せない、調査対象者の意見や行動などを探ることができるのが定性調査となります。例えば、Aという商品の利用率が高いのは「なぜなのか?」というような、ある事象に対する理由や要因を深く探ることができます。定性調査は、通常1対1や数名のグループなど、少人数で行われるのが特徴的です。代表的な調査手法は下記になります。
 

会場調査

会場で調査対象者に製品などの感想を回収しデータ化する
 

インタビュー式(ユーザーに直接聞く手法)

 

・グループインタビュー

グループでのインタビュー
 

・インデブスインタビュー

個人に対するインタビュー

 

ショップアロング

商業施設などで、ユーザーが実際に買い物している様子を観察し、購買後のインタビューで、購買にいたった心理などの実態を知る
 

行動観察調査(オブザベーション)

先入観をもたず、ユーザーの行動を細かく観察し、行動パターンや心理を知ること
 

ミステリーショッパー

モニターが客となって該当店舗へ訪問し(店舗に気づかれないように)、実際の購買行動を行いながら、従業員のサービスや、商品の陳列状態や清掃状況など、店舗の現状をチェックする
 

 
 
定量調査のメリット
 

定性調査のメリット

・定量調査では聞けない、ユーザーの生の声が聞ける
・自社の仮説や想定にとらわれない意見を得ることによって、新たなアイデア発掘のヒントになる
・ユーザーすらも気づいていない「インサイト(深層心理)」を発見することができる
 
 

定性調査のデメリット

・定量調査に比べてサンプル数が少ないため、全体の傾向とは言い切れない
・インタビュアーの能力によって聞き出せることが異なる
・会場の手配やインタビュー候補者の選定などで手間とコストがかかる
 
参考文献:JMRX著 岸川茂編(2016) 『マーケティング・リサーチの基本』 日本実業出版社
 
「マーケティング・リサーチ」の代表的な手法を理解したところで、次は実際の調査を行う前に必要な「準備」について紹介します。こちらもとても重要です。

 
 
 

調査をはじめる前に確認すべき「4つの項目」

 
ここからは調査の代表的な手法、「定量のアンケート調査」を例にとって紹介していきます。「アンケート調査」では、調査を始める前に「準備」をしっかり行うことが重要です。ここの「準備」をしっかりしておかないと、「不十分な調査結果」となってしまう場合もあるので、しっかりとおさえておきましょう。
 
 

目標設定

 
まずは、目標を設定しましょう。目標設定をする際には、調査後の活用方法まで検討しておくとよいです。例えば、「商品Aのシェア拡大に活かすために、調査を通じて自社の強み、弱みを明らかにする」という目標をたてます。この場合、「商品Aのシェア拡大に活かす」が調査後の活用方法で、「自社の強み、弱みを明らかにする」ことが調査を通して得る情報、つまり調査目標となります。
 
 

現状把握

 
目標設定ができたら、現状を把握します。現時点で顕在化している「自社の強み」「自社の弱み」とは何かを細かく整理しましょう。「細かく整理する」ということは、「具体的に掘り下げる」ということです。先ほどの目標設定の例を軸にして話をすると、「商品Aは他社に比べ販売店舗が少ない為、シェアが低い」という弱みと、「商品Aは展開する店舗数が少ないがレア感があり、リピーターが多い」という強みのように詳しく分析します。詳しく掘り下げることで自社の現状がわかり、後に調査票を作成する際、質問項目を作成しやすくなります。
 
 

仮説の設定

 
目標設定、強み、弱みの分析が終わったら、それらを元に仮説をたてます。ここでの仮説は「調査結果の予測」です。例えば、「商品Aのシェアが悪いのは、」という仮説を立てます。このときも、1つだではなく複数の仮説をたてるべきです。具体的には、「パッケージのデザインが悪い」、「価格が高い」、「味が甘すぎる」など複数の仮説をたてておきます。その仮説がアンケート調査での「選択肢」になります。事前に複数の仮説(調査結果の予測)を立てられていることが重要です。
 
 

予算/期限の設定

 
目標設定、現状把握、仮説設定までが終わったら、調査にかけられる費用と時間(全体像)を把握しておきましょう。「マーケティング・リサーチ」にかかる費用と時間は調査手法によって様々です。すぐに調査できる手法もありますが、手法によっては調査までに時間がかかりますので、期間や予算を見誤ると事業計画にずれが生じる可能性もあります。ある程度余裕をもって取り組むことを推奨致します。また、準備段階から実査までの一連の流れを予測しておくとよいでしょう。

参考文献:JMRX著 岸川茂編(2016) 『マーケティング・リサーチの基本』 日本実業出版社
 
 
さて、準備が整ったら、いよいよ調査開始です。

 
 
 

調査票の作成方法と注意点

 
 

調査票の作成方法

 
「調査票」と言われると難しくと捉えてしまうかもしれませんが、基本的な構造はシンプルです。調査票は「誰に、何をどんな方法で聞くか」で構成されますので、1つ1つ見ていきましょう。
 
 

1)対象者の設定

まずは「誰に」の部分です。ここでは、事前の「準備」の段階で分析した内容を参考に設定します。まず目標が、「商品Aのシェア拡大に活かすために、調査を通じて自社の強み、弱みを明らかにする」ですので、対象者は「商品A」のターゲットとなり得る10代~60代の男女と幅広く設定します。調査後の集計では、性別や年代ごとに「クロス集計」などをする場合も想定されるので、このように回答者の性別や職業、年代などの属性をあらかじめ設定しておくとよいでしょう。
 
 

2)質問項目の設定

続いて、「何を聞く」かの部分に移ります。調査票の作成を始めると、どうしても多くのことを質問しがちになりますが、事前分析で設定した「目標」に沿って、必要なことだけに絞りましょう。あまり多くの質問をすると、アンケート回答時のユーザー離脱に繋がってしまう可能性があるからです。あくまで目安ですが、下記の表を参考にするとよいでしょう。
Fastask 調査票作成の基本

参照:Fastask 調査票作成の基本
 
 
上記の「マトリクス形式」「自由回答」については次で説明します。
 
 

3)質問・回答形式の設定

次に、「どんな方法で聞くか」の部分を見ていきましょう。上記にも少し記載されていましたが、質問・回答形式には、いくつか種類があります。
 

選択回答

あらかじめ用意された回答から選択する回答方法
 

・シングルアンサー形式

選択肢の中から、1つだけ選択する回答形式。
 

・マルチアンサー形式

一つの質問に対して複数の回答項目から、複数回答をする形式。

 
選択回答では、大きくわけると上記2つの回答形式に分かれますが、他にも、便利な回答形式があります。
 

マトリクス形式

選択肢が同じ場合は、複数の質問を一度にまとめて聞くことができます。それが「マトリクス形式」です。下記の画像をご覧ください。

Fastask マトリクス形式は、表上と表左の項目に留意せよ

参照:Fastask マトリクス形式は、表上と表左の項目に留意せよ
 
 
上記がマトリクス形式の例です。「イメージから想定する果物についてあてはまるものをお選びください」という問いが1つのように見えますが、実際は「健康に良いというイメージから想定する果物」や「美容によいというイメージから想定する果物」というように、複数の質問を共通の選択肢(この場合は果物の種類)で回答することが可能です。選択肢から1つのみ回答するのが「マトリクスシングル」、上記の例のように、1つ以上の複数回答するのが「マトリクスマルチ」と言います。

 
 

自由回答

対象者に自由に回答してもらう形式です。内容が抽象的になりがちで、また回答に時間がかかり、ユーザーの離脱に繋がる可能性もあるため、アンケート形式ではさほど多く利用されません。

 
質問と選択肢だけでも種類があり、どの形式を採用するか悩むかと思います。目標に沿って、聞きたい内容がしっかり聞けることがもちろんですが、回答者が答えやすいように適した手法を選びましょう。では次に、調査票作成時の注意点をご紹介します。
 
参考:JMRX著 岸川茂編(2016) 『マーケティング・リサーチの基本』 日本実業出版社
Fastask 調査票作成の基本
 
 

調査票作成時の注意点

 
調査票作成時に注意すべき点は、様々です。ここでは、比較的つまづきやすい、「回答矛盾」「数値の表記」についての例を見ていきましょう。
 
 

マルチアンサー形式の注意点【回答矛盾の回避】

 
アンケート調査を実施するにあたって、頻繁に生じる課題のひとつに「回答矛盾」があります。下記の資料をご覧ください。
 
MRC アンケート調査票ラボ  第7回「マルチアンサー形式の注意点」

参照:MRC アンケート調査票ラボ 第7回「マルチアンサー形式の注意点」
 
 
上記の例は、「飲食店に一人で入って夕食をとるユーザーが、どの様な観点で飲食店を選択しているか」を調査しているアンケートになります。上記のアンケート項目からは、回答矛盾に関する「2つの問題」が読み取れます。まずは、「二律背反」です。二律背反とは、あるひとつの事柄を肯定する内容と否定する内容が混同していること言い、この場合は、「一人で飲食店に入るのはためらう」と、「一人で飲食店に入るのはためらわない」という両方が選択肢に並んでいる状態のことを指します。
 もう一つは、「表現方法の不統一」です。上記のアンケートを例にとると、「一人で食べていること見られるのは恥ずかしくない」という表現に対し、「一人で飲食店に入るのはためらう」というポジティブな表現とネガティブな表現が並びます。この表現は、ポジティブな回答をしたユーザーが、ネガティブな回答を選択してしまう可能性があり、矛盾回答を招く能性があります。以上2つの問題を修正した調査票がこちらです。
 
MRC アンケート調査票ラボ  第7回「マルチアンサー形式の注意点」

参照:MRC アンケート調査票ラボ 第7回「マルチアンサー形式の注意点」
 
 
上記のように、同じ選択肢を使って複数の質問に回答する、マトリクスシングルの回答方法が最適だと思われます。
 
回答矛盾以外でも、「数値の表記」についてよく起こる課題がこちらです。
 
 

入浴時間における回答方法【数値の表記】

 
時間帯を聞く場合の注意点

時間帯を聞く場合の注意点

参照:MRC アンケート調査票ラボ 第1回「時間帯を聞く場合の注意点」
 
 
どちらの回答欄が適切かおわかり頂けるでしょうか。この質問では、どの時間帯に入浴するユーザーが多いのかを聞いています。上の例だと例えば、午後9時半に入浴するユーザーがいる場合、午後9時にチェックしていいのか、午後10時にチェックしていいのか、回答の困惑を招いてしまいます。従って、下の例が、誤解を招かない適切な調査票となります。続いてはこちらの例もみていきましょう。
 
 

代表的選択肢の不備を避ける

 
代表的選択肢の不備を避ける

参照:MRC アンケート調査票ラボ 第8回「代表的選択肢の不備を避ける」
 
このアンケート項目の場合、フィーチャーフォンとスマートフォン両方を利用しているユーザーがいる場合、「その他」に回答が集中してしまい、正しい調査結果が得られなくなる可能性があります。従って、「両方を利用している」の項目を追加することで、誤った調査結果になることを避けることができるでしょう。
 
上記3つの例はあくまで例です。「セルフ型ネットリサーチのFastask(ファストアスク)では、調査票作成時に間違えやすいポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
 
調査が終わった後は、それを別のシーンでも活かしましょう。一度調査して終わりではなく、様々な使い道があるのも、調査の良いところです。
 
 

 
 
 

 

【コラム】調査結果のその他の活用方法

 
マーケティングリサーチ以外にも調査にはさまざまな活用法があります。以下は活用方法の一例です。
 

ニュースリリース

ニュースリリース

調査を終えたら、それをプレスリリースしましょう。調査に興味を持ってもらえれば、メディアで掲載され、自社の認知度アップやWebサイトへのアクセスにも繋がります
 
 

イベント・展示会・コンペに活用

イベント・展示会・コンペに活用

調査結果は、イベントやセミナー、展示会でも使用できます。ノベルティなどでは、情報収集に敏感な来場者に響かない場合もあります。顧客に興味関心のある調査結果を配布することで、他社と差別化でき、手にとってもらいやすくなります。またコンペでは、調査づけられたデータが後押しとなり、競合他社に差をつける良い武器となります。
 
 

アポイント獲得

アポイント獲得

新規顧客とのアポイントを獲得する際には、自社の実績や相手に「会いたい」と思わせる材料を用意しなければなりません。見込み客の興味を引く調査データであれば、事前に先方へ送付しておくことで、アポイント獲得に繋がる可能性が高まるでしょう。
 
 

新商品開発

新商品開発

1回だけの調査ではなく、複数の調査をかけあわせて商材にできることもあります。例えば、同じ分野の調査を定期的に調査することで、新たな発見があります。代表的なものは「推移=トレンド」です。トレンドを見ることで、新たな商品の切り口につながる可能性もあるでしょう。また定期的な調査は、売り込む際に説得力が増しますので、良い武器にもなります。

 
 
いかがでしたでしょうか。「マーケティング・リサーチ」を行う際のイメージがより明確になったのではないでしょうか。
 
さて、いろいろな使い道のある「マーケティング・リサーチ」ですが、手軽にはじめるなら「セルフ型ネットリサーチのFastask」がおすすめです(宣伝です)。セルフ型なのにリサーチャーがしっかり調査票をチェックしてくれることがポイント。(作成された調査票をチェックするので、誤解を生まないアンケートを作成できます。)
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