おすすめマーケティング記事 おすすめ 2017.03.16

【 2017年春の最新事例付き 】スマート家電はここまで来たけど、「IoT」に対する消費者の意識は追いついてるのか調査してみた

 
【記事要約】
最近話題になってきた「IoT」。ちなみに「IoT」と「スマート家電」の違いって皆さんご存じでしょうか?実はビミョウ違ったりします。今回は比較的イメージしやすい「スマート家電」に関する調査をもとに、「IoT」をさらに推進するために何が必要なのか?ということをひもといてみました。ぜひ参考にしてください。
 
 
 
目次:


 
 
 
 

IoTは2021年には11兆円市場に

 

IoT=Internet of Things=モノのインターネット化。涙目の絵文字とか言われて、半笑いの視線が送られていたのも今は昔。最近ではニュースで毎日のように新サービスや新商品の話題を耳にします。
 
2016年の国内におけるIoT市場規模は5兆270億円、2021年には11兆円まで拡大するという調査発表もあります。11兆円といったらアパレル業界より少し大きいぐらいですから、スゴいです。
 
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CAGR=Compound Average Growth Rate=年平均成長率

引用:IDC Japan「国内IoT市場 ユースケース(用途)別/産業分野別予測を発表」(2017.02.20)
 
世界で見るともっとスゴくて、「IoTの世界市場は年平均16.9%のペースで成長し、2020年には1.7兆ドル規模に達する」んだそうです。1.7兆ドルって、200兆円近く。日本の国家予算一般会計の2年分ですよ。

参照:@IT 「企業がIoTに取り組むべき理由」が分かる、“16”の重要な統計データ(2016.08.09)
 
その割には、一般ピーポーにはあまり知られてませんね。ワタシ、身の回りにいる誰の口からも聞いたことないです。
 
実際には少しずつIoTの「芽」は身の回りに入ってきています。わかりやすいのは「スマート家電」。エアコンの電源を外から入れられて、帰ったときには気持ちいい温度にしておけたり、冷蔵庫の中身がスマホで見たりできるのも出てます。後述しますが実はこれらは厳密にはIoTではありません。勘違いしている人も多いんですよね。ただIoTのひとつの側面は満たしていて、消費者には比較的メリットは伝わりやすい(と、メーカーさんも考えているはず)。でも、それを実家の母親に教えると逆に、「冷蔵庫の中身を人に知られるほうがイヤだ」、と。
 
うーん。つくる側(メーカさん)はほれスゴいでしょ!と出してるけど、実際に使う側(消費者)はイマイチピンときていないというか……。消費者とメーカーの間でちょっとしたギャップができているのでは?ということで今回は「IoT」や「スマート家電」について、具体的な事例や調査から消費者目線でいろいろ掘り下げてみました。まずは最新事例から。


 
 
 

そもそもIoTとは?

 

数年前、IoTという概念が日本に入ってきたころ、家電が「スマート家電」という触れ込みでやたらと値段が上がったことがありました。大した機能がなくても最先端だと。なので、IoT=スマート家電みたいなものと思っている人が多いですが、実はぜんぜん違います。ということで、いったん整理しておきましょう。
 
IoTの定義は、先ほどの市場規模データを算出したIDCによると、「IP接続による通信を、人の介在なしにローカルまたはグローバルに行うことができる識別可能なエッジデバイスからなるネットワークのネットワーク」(引用前出)ということになります。
 
えーと、それを具体的にいうと、こういうことです。
 
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引用:東洋経済ONLINE「「IoT」とは何か、今さら聞けない基本中の基本」(2016.04.19)

 
さらに解説すると、、、
 
①いろんなモノに付いたセンサーが「物体の有無、形状、位置、温度、音、加速度、圧力、赤外線、重さ、ニオイ、味覚、画像、映像……」を感知
②そのデータをインターネットで送信し、蓄積されることでビッグデータを構築
③人工知能(AI)も使いながら、送られてきたデータを分析し、ビッグデータと照合しながら、最適な対応を判断
④モノにインターネットでアクセスして、動かしたり、アラートを出したり、といった動作を人が介することなく自動で制御
 
という流れ。持ち主が意識しなくても、最適なタイミングで最適な体験が得られるのが「IoT」というわけ。別に家電にだけ使われているわけでなく、というか、家電よりインフラとか産業機械のような分野のほうが今はよく使われています。
 
たとえば、自動運転システム。道路や周辺の車、人の状況を感知して、最適な対応を選択して行きます。
 
インフラだと、スマートグリッドなんかがIoTですね。すぐ放電してムダになってしまう電気を最大限活用するために、IoTで需要と供給を制御する新しい送電網のこと。この前、ウチのマンションのメーターが工事でスマートメーターになったみたいに、どんどん広まっていきそうです。
 
一見ITと縁遠そうな農業なんかでもIoTが使われてます。たとえば昨年、世界的に権威のあるドイツのデザイン賞「iF DESIGN AWARD 2016」を受賞した「e-kakashi」。ITかかしということで、温湿度、日射量、土壌内の温度や水分量、CO2などの環境情報をセンサーで収集し、クラウドにアップして分析し、栽培に役立てるソリューションです。ソフトバンク系のPSソリューションズさんと日立さんが組んで開発製造しているそうです。

 
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引用:PSソリューションズ「農業 IoT「e-kakashi®」が iF DESIGN AWARD 2016 を受賞」(2016.02.22)
 

病院なんかでもIoTが使われだしてますね。たとえば適温に保っておく必要がある薬品保管庫の温度を監視して、対応が必要になったら担当者のスマホにアラートを送ったり、院内の各所にビーコンを設置して、患者さんの現在地を識別して、目的地まで道案内してもらえたり、といった活用をするところが出てきています。
 

などなど、SF映画とかではなく、現実に起こっていることです。人間が直接関わらなくても進んでいくのがスゴいですよね。
 
まだピンと来ないですか? では、もうちょっと身近な例、IoT家電の最新事例も紹介しましょう。


 
 
 

身近になりつつあるIoT家電

 

スマート家電、インターネット家電は「IoT」と混同されることが多いんですが、消費者へのメリット訴求がしやすくメーカーや新規参入組にも大きなチャンスだけに、新商品の話題がどんどん出てきています。コンセプトモデルだと、食材を伝えることでAIがおすすめメニューを提案、キッチンの壁にシェフの料理動画が映し出され、それを見ながら料理ができる、とか面白そうなのもあるんですが、今回はそんな夢みたいな話ではなく、現在発売中か実用化が決まっている最新商品を紹介します。
 
 

自動でアップデートされるIoT掃除機「Dyson 360 eye」

 
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引用:dyson公式ホームページ
 
スマート家電の代表格といえば、ロボット掃除機ですよね。ただ、元祖の「ルンバ」はどっちかというとIoT寄りではないので、ダイソンさんのほうをご紹介。「Dyson 360 eye」は、機能的にはルンバと変わりませんが、スマホアプリからでも操作したり、記録をチェックできたりするのと、ファームウェアの自動アップデートができるのが特徴。各掃除機の動作データが蓄積、分析されていて、2016年8月のアップデートでは、利用状況からモーターを最大限回転させなくても床をキレイにできる場合が多いという分析から、モーターの回転数を抑えた静音モードが新たに追加されました。買い換えたり修理に出さなくても機能がオンラインで追加されるのは効率的でいいですね。
 
 

メニューを相談できるIoTウォーターオーブン「ヘルシオ AX-XW300」

 
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引用:SHARP「ウォーターオーブン」公式サイト
 
キッチン家電もIoT化が進んでいる分野。特にシャープさんの「ヘルシオ」は進んでます。使いたい食材とか、糖尿病向けとか、サッとできるもの、とかを「ヘルシオ」に伝えると、栄養士がつくったクラウド上のメニューリストからおすすめの料理を提案してくれます。自分のメニューと調理法を登録することも可能。おふくろの味を覚えてもらうのもイイかも。機種によってできることが違うんですが、最上級の「ヘルシオ AX-XW300」は、Amazonで107,000円ぐらいでした。
 
シャープさんはこれだけでなく、「ともだち家電」というネーミングで、家電同士をつなごうとしてます。オーブンで調理ができたらテレビやスマホに通知が表示されたり、外から子どもがオーブンで調理をしてごはんを食べたかのチェックができたり、とかですね。これはスマートホームという考え方で、ハウスメーカーなども開発に力を入れている分野です。
 
 

色で天気予報を教えてくれるIoT電球「TeNKYU」

 
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引用:TeNKYU公式サイト
 
スマートホームが実現されたら活躍しそうなのが照明。紹介する「TeNKYU」は、普通の電球ソケットに差し込むだけのカンタンIoT電球。ネットから必要な機能をダウンロードできます。現在開発中で、第一弾は玄関で天気を色で知らせる機能。降水確率が50%以上なら青く点灯します。今後は、高齢者の見守り、防犯、来客通知などが登場予定で、もうすぐ製品化されそうだとか。
 

ついでに、こんなものも紹介しときましょう。2020年には約250億個のデバイスがインターネットに接続されるようになる(Gartner Newsroom)という予測もあり、身の回りにあるモノがなんでもIoT化するかもしれません。
 
 

理想の水分補給をサポートしてくれるIoTウォーターボトル「moikit gene」

 

引用:<日米同時スタート!>最新 IoTスマートボトル「Moikit gene」で水分補給を快適にハックしよう!
 
最近、目新しい商品はアメリカのクラウドファンディングから生まれることが多いですが、日本のクラウドファンディングも頑張ってます、ということで、「machi-ya」(マチヤ)からIoTボトルをご紹介。使う人の性別や年齢、身長、体重から1日の必要水分量を割り出し、どのくらい摂取したかなどを管理してくれるウォーターボトルです。水分補給のタイミングを通知する機能もあったりして、なかなか使えそうです。現在、資金調達の目標金額をはるかに超え、出荷の手前状態のようで、一般発売される可能性も高そうです。値段は6,500円+送料全国800円。ウォーターボトルと考えるとちょっと高いですが、ワタシもほしい。
 
 

美髪になるようコーチしてくれるIoTヘアブラシ「Hair Coach」

 
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引用:Withings公式サイト
 
ノキアさんにM&Aされた情報家電メーカーWithingsからは、ブラッシングの先生をしてくれるヘアブラシ「Kérastase Hair Coach Powered by Withings」が出ます。
 

イノシシの毛とナイロンを混合したこのブラシには、各種センサーが組み込まれています。マイクは髪の音波を拾うことで髪の縮れや乾燥度合いを認識し、ジャイロスコープがブラッシングの力加減とスピードを分析、そして加速度計が梳かした回数をカウントします。さらにブラッシングの仕方に対してハンドルを振動させて触覚フィードバックをしてくるので、髪にとって良いブラッシングができるようになるのです。

引用:GIZMODE/スマートヘアブラシで美髪になる?ケラスターゼ「Kérastase Hair Coach Powered by Withings」発表(2017.01.04)
 
なかなか本格的。美容家電は日本も強い分野なので、巻き返しに期待します。2017年秋に発売開始予定で、値段は200ドル(約23,000円)以下になりそうだとか。
 
 

ECで買い物まで任せられるIoTゴミ箱「GeniCan」

 
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引用:GeniCan公式サイト
 
最後はちょっとネタっぽいですが、ゴミ箱をIoT化した「GeniCan」。捨てるときに空容器のバーコードを読ませたり、音声で教えると、捨てたモノを記録して買い物リストをつくってくれたり、自動で補充注文を出す設定にしたりできます。ゴミがいっぱいになったら通知する機能もあるとか。ゴミの日の通知もあるとうれしいですね。アメリカの会社が実用化を前提にしたプレオーダー受付中で、値段は149ドル(約17,000円)。2017年3月3日現在ですべて売り切れ状態です。
 
 
と、モノはどんどん進んでいますが、消費者のみなさんはどう思っているんでしょうか?


 
 
 

セキュリティが心配?? MRC調査に見るIoTの現状

 
MRCでは、2017年2月に「IoT」に絞った消費者調査を行いました。

「IoT」の認知率は、半数強。「よく知っている」だと1割を切ります。言葉より実際の商品のほうが先に浸透しそうなパターンです。
 
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参考調査:4人に1人が「個人情報の提供が必要なら、IoT家電は使わない」(2017.02.15)
 
 
スマート家電として普及が速いエアコンに求める機能で行くと、「家から離れると切り忘れを通知してくれる」を求める人が半数近く。「外出先からスマートフォンなどで操作できる」も4割以上。状況をスマホに知らせてくれて、そのまま操作できるという使い方が求められています。節電、電気代節約系のニーズも高いですね。
 
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参考調査:4人に1人が「個人情報の提供が必要なら、IoT家電は使わない」(2017.02.15)
 
 
エアコンに続いてIoTのニーズが高そうな家電、洗濯機はと言うと、7割が「洗濯機の消費電力をスマートフォンで確認できる機能」は不要、「洗剤の使いすぎをスマートフォンなどに通知してくれる」も不要だとか。確かにスマホに通知するぐらいなら、洗濯機が洗剤量を調整してくれ、と思いますね。
 
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参考調査:4人に1人が「個人情報の提供が必要なら、IoT家電は使わない」(2017.02.15)
 
 
そして、IoTの便利さと一緒に付いてくる不安について。セキュリティ面では、7割強が購入時のセキュリティに関する説明を重要視。セキュリティ証明書を求める人も多いですね。インターネットにつながることで、ハッキングされたり、誤動作が起こったりというリスクは高まりそうですし。今はまだ便利さを感じていないこともあり、不安面が強く出ている、とも考えられますね。
 
fa_report-iot-20170215.pdf-000040
参考調査:4人に1人が「個人情報の提供が必要なら、IoT家電は使わない」(2017.02.15)
 
 
個人情報の流出への不安を持つ人も多いです。4人に1人が、「IoT家電は、個人情報の提供が必要なら、無条件で使いたくない」とか。「提供する個人情報の種類によってIoT家電の利用を判断したい」人が半数です。冷蔵庫の中身はどうなんでしょうか。ウチの母親はダメみたいでしたが。
 
fa_report-iot-20170215.pdf-000038
参考調査:4人に1人が「個人情報の提供が必要なら、IoT家電は使わない」(2017.02.15)
 
 
こう見ていくと、ポジティブな意見もあるけど、「そこまでの機能いらない」とか「個人情報」や「セキュリティ」が不安、という人もいますね。そうです。そこに提供側と利用者との「ギャップ」があると思うんです。じゃあそのギャップを埋めるためにどんなことをすれば良いんでしょうか?


 
 
 

IoT普及に向けて企業がイマやるべきこと

 

政府が閣議決定した「⽇本再興戦略2016」で、IoTは日本の成長戦略のトップに位置付けられています。
 
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引用:首相官邸・日本経済再生本部「日本再興戦略2016-第4次産業革命に向けて-」(2016.06.02)
 
 
世界的にも推進方向で、GoogleやAmazon、AppleやMicrosoftといった企業が莫大な研究費をかけてしのぎを削っている分野。しかも日本政府も成長戦略のトップに据えているとなると、マーケターとしても、「乗るしかない、このビッグウェーブに」ということですよね。
 
その波に不安を感じる消費者向けには、
①ビッグデータと人工知能によって提供される新たなライフスタイルをもっと啓蒙する
②セキュリティや個人情報の取り扱いについてのガイドラインや認証マークなどを明確にする
といった施策を丁寧に行っていくことが必要になりそうです。
 
それはそうともうひとつ気になることが。
 
そう遠くない将来、IoT×ビッグデータ×人工知能で最適なタイミングで必要な情報や体験を得られるようになる日がくるかもしれません。そうなると我々のようなマーケティング担当の役割はどうなるんでしょう?引き続き調査していきたいと思います。
 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。IoTについての調査結果は、ぜひ下記からダウンロードしてください。記事に共感いただけましたらシェアやFacebookページのいいね!もぜひ。

 
 

参考調査:
4人に1人が「個人情報の提供が必要なら、IoT家電は使わない」(2017.02.15)

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