おすすめマーケティング記事 おすすめ 2017.06.14

【 悲報 】消費者のブランドロイヤリティは一瞬にして吹き飛ぶという「怖~い話」をひとつ。

 
【記事要約】
今回の記事では、「ブランドロイヤリティ」について、独自の調査を元に考察しています。日常生活でふとした瞬間に感じる「イライラ」、実はブランドを毀損しています。MRC編集部では実際に街に出て、とある実験をしてみました。その様子も動画でお届けします。調査と実験から得られた「ブランドロイヤリティ」にまつわる「気づき」とは?ぜひご参考にしてください。
 
 
 
目次:


 
 
 
 

ワタシが自販機とコンビニで買う飲料ブランドを変えてるワケ

 

突然ですが、最近ワタシのなかで「低糖質ダイエット」が流行っています。実は、グルテンフリーも気になってるんですが、そんなミーハーなことじゃいかん、まず低糖質!という経営方針(?)で、最近は飲み物も決まって「ダイエット系炭酸飲料」です。まぁ、ダイエットなら水を飲め、という声もあるんですが、ワタシには炭酸のキックが必要なので。
 
でもですね、この前コンビニでダイエット系炭酸飲料を買っていて、ふと思いました。コンビニで買うときには、オフィスの自販機とは別のブランドを選んでるなと。これは、当然っちゃ当然なんです。オフィスの自販機だとその商品しか「ダイエット系炭酸飲料」はないから、「仕方なく買っている」わけです。さらに深掘りすると、ワタシはその「オフィスでいつも仕方なく買っているダイエット系炭酸飲料」があまり好きではありません。なぜなら、自販機で買うと必ずと言っていいほど「吹きこぼれる」から
 
そんな話を編集会議ですると、「わかるわかる~」と大いに盛り上がりました。で、それって気づかないところで「ブランドロイヤリティ」に影響してるよね?と。
 
そこで、例によって調査してみました。「そんなに吹きこぼれるかな?ネタじゃないの?」という意見も出そうなので、まずはどれだけその炭酸飲料が「吹きこぼれる」か。またまた街に出て調べてみたので、その「動画」からご覧ください


 
 
 
 

どれだけ「吹きこぼれる」か試してみた

 

ウチのオフィスにある自販機のダイエット炭酸飲料、フタを開けたらホントにすごい確率で吹きこぼれるんです。で、それを実際に証明してみたいと思います。
 
まず同ブランドの、ダイエットでない、普通の炭酸飲料を買って開けた動画。
 

 
普通に開いて、吹きこぼれません。泡は飲み口までいかずに止まりました。
 
次に、オフィスの自販機前でいつもワタシの手を濡らすダイエット炭酸飲料だと……。
 

 
ね、見てみてください。ブランド名は言えませんが、すごい確率で吹きこぼれています。公正を期すために、というかホントは意地になって、場所も変えて、20本買いましたよ、ワタシ。そのうち19本が吹きこぼれましたからね。吹きこぼれ率95%ですからね!
(検証に利用したドリンクはMRC編集部スタッフ全員で美味しくいただきました。)
 
でも、ワタシにとっては見慣れた光景です。なんと言っても、ワタシがこの炭酸飲料に持つ商品イメージは「なんかべたべたする」ですから。味とかパッケージとか値段とかブランドを構成する要素はいろいろありますが、この商品については「何度も吹きこぼれた体験」が一番です。なんて小さいことを言うんだと言わないでください。そういう「体験」の積み重ねが「ブランドロイヤリティ」を構築していくんです。
 
 
ということで今回は、良ければ頼もしい、悪ければ怖い「ブランドロイヤリティ」について見ていくことにします。


 
 
 
 

そもそも「ブランドロイヤリティ」って?

 

 

ブランドロイヤリティの定義

 
ブランドロイヤリティ(Brand Loyalty)とは、定義すると、「あるブランド(企業、商品、サービス…)に対する、高い忠誠度合いや愛着度合い」のこと。ブランドロイヤリティが高いと、他に選択肢があったとしても、継続して購入し続けてくれる固定客やファンを獲得したことになります。
参考:weblio辞書「ブランド・ロイヤリティ」
 
 

D.A.アーカーという人が提唱

 
簡単にブランド論の歴史をおさらいしておくと、1980年頃は顧客満足(CS=Customer Satisfaction=カスタマー・サティスファクション)全盛だったんですが、顧客満足度が高くても、価格や販売チャンネルやアフターサービスなどの問題があったりすると、必ずしも継続して売れないことがわかってきました。要は「商品やサービスだけじゃダメ」ということですね。
 
そんな頃、ブランド研究の第一人者と言われる、アメリカのD.A.アーカー(デービッド・アレン・アーカー)が「ブランド・エクイティ(ブランド資産)」という概念を提唱しました。
 
要は、商品とかサービスだけではなく、それにまつわる全てをひっくるめた「ブランド」自体が資産だという考え方です。「ブランド名」だけでも高額で取引されるというのは、この考え方に基づいた話ですね。
 
彼によると、ブランドは5つの要素から構成されています。
 
①ブランド認知…世の中に知られているか
②知覚品質…顧客満足的な使用後の評価
③ブランド連想…ブランドイメージ
④ブランドロイヤリティ…ブランドに対する愛着や忠誠心
⑤公的・法的資産…特許や商標など
 
なかでも一番重要なのは、「ブランドロイヤリティ」だと断言されています。
 
参考図書:「ブランド・エクイティ戦略―競争優位をつくりだす名前、シンボル、スローガン」/デービッド・A. アーカー/ダイヤモンド社/1994年1月初版


 
 
 
 

ブランドロイヤリティを高めるとイイこといっぱい!

 

 

ブランドロイヤリティのメリット

 
で、そんなブランドロイヤリティを高めると、どんないいことがあるかというと……。
 

顧客からのブランドロイヤリティは企業にとって大きな価値を生み出し、ロイヤリティの高い顧客の態度や行動には、次のような傾向が明確に見られる。
 
・総合的な満足度が高い
・リピート率が高い
・自発的に第三者に紹介する
・同じブランドの他の商品を買いやすい
・テストや調査に協力的
・支払いの遅延がない (主にB2B)
・クレームが少ない
 
ブランドロイヤリティの構築に成功すればマーケティング費用を大幅に抑える事も可能になる。

引用:freshtrax
「ブランドロイヤリティの構築方法【ブランディングの教科書 Pt.2】」
(2016.02.18)
 
要は新規顧客というより、既存顧客のほうを向いて、ファンになってもらうことで、ブランド価値と収益力が高まるという美しい話です。
 
 

1:5の法則

 
既存顧客を大事にするメリットは、よく言われる「1:5の法則」に現れています。
 
『新規顧客を獲得するコストは、既存顧客に販売するコストの5倍かかる』
という法則です。「5:25の法則」というのもありますね。
 
『既存の顧客離れを5%改善すれば、少なくとも利益が25%改善される』
夢のような話ですが、飛び込み営業とルートセールスを比べれば、既存顧客のほうが売りやすいのは明らかでしょう。そのために必要なのが「ブランドロイヤリティ」というワケです。


 
 
 
 

リピート率と顧客満足度の落とし穴

 

メリットは大きいんですが、ブランドロイヤリティがやっかいなのは、売上や利益率のようにパシッと数値化できないことです。そこで、代替指標として、「リピート率(継続率)」と「顧客満足度」が使われることがあります。
 
 

リピート率

 
ブランドロイヤリティが高まる=継続して購入してくれる、ので、ブランドロイヤリティが高まれば、リピート率は高くなります。ただ、リピート率が高ければブランドロイヤリティが高いと決めつけて、リピート率優先の戦略を立ててしまうと、逆にブランドロイヤリティを下げることがあります
 
たとえば携帯電話キャリアの2年縛りや複雑な契約転換システム。携帯に限らず、解約しにくい契約、汎用性や互換性のないデータ形式……。実は世の中にこういう例は結構あります。みなさんもロイヤリティが大きく下がっているブランドの一つや二つはあるんじゃないでしょうか。
 
要は、リピート率だけ見ると、「リピートされている」のか、「リピートさせている」のか、わかりにくいので注意する必要があるということです。
 
 

顧客満足度

 
一時期大流行した「顧客満足度」。一般的には「顧客満足度アンケート」で測ります。「Q.あなたはこの商品に満足していますか?」という質問への返事を数値化した指標です。リピート率のような機械的なデータではなく、顧客体験についての気持ちを聞いたものなので、ブランドロイヤリティを表しているように見えます。
 
ただ、顧客満足度アンケートは、そもそもの期待値が低ければ良い結果が出やすいですし、アンケートに謝礼があっても良い結果が出やすいなど、いろいろな顧客の心の中が入り混じってしまいます。ブランドへの「忠誠度合い」「愛着度合い」を数値化したとは言い難いところもあります。


 
 
 
 

ブランドロイヤリティは「NPS」で測る!

 

そこで最近、ブランドロイヤリティの計測方法でよく使われるようになったのが、「NPS(Net Promoter Score=ネット・プロモーター・スコア)」です。「Net」とありますが、インターネットではなく、「正味」とか「本当のところ」といったほうの意味です。
 
NPSは、難しく訳せば「推奨意向」、ぶっちゃけると「オススメ率」。「あなたは家族や友人、同僚などに、この商品を薦めたいと思いますか?」という質問をアンケートで見ますよね。その回答のうち、「強く薦めたい!」から「薦めたくない!」を引いた数値です。
 
 

NPSの計測方法

 
nps_interview_zu01
引用:「Web担当者 Forum」 NPS とは 意味/解説/説明
 
 
20170508175426
引用:「Mission Driven Brand」 ブランドロイヤリティとは?8つのロイヤリティ向上手法を徹底解説

※本稿は2017年6月14日に掲載いたしましたが、引用表記がもれておりましたので、2017年8月15日に追記いたしました。
関係者の皆様には、ご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます。

 
企業のドリームがあまり入らない、厳しめのデータの取り方なので、ブランドロイヤリティを比較的きちんと表せているだろうと、継続的に測定する企業が増えています。アップルやグーグルが採用していることでも、効果ありそう感が高いですね。
 
 
要するに、ブランドロイヤリティって、そのブランドを「好き」で「継続的に選び続け」、「中の人でもないのに、周囲にオススメしてしまう」こと。リピート率とか顧客満足度では必ずしも計れないんですよね。「NPS」は企業でも比較的実施しやすい調査だと思いますので興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか?
 
ということで、私が「オフィスで仕方なく特定のダイエット系炭酸飲料買う」ことは、もしかしたら自販機の数値上は「リピート率が高い」となっているかもしれませんが、実は「なんかべたべたする」という体験もリピートすることで、コンビニでは違うブランドを購入してしまうという結果を招いています。
 
こういう「逆」ブランドロイヤリティ体験、実は世の中にまだまだたくさんあります。MRCで独自に行ったネットリサーチの結果をご覧ください。


 
 
 
 

まだまだある「ブランドイメージを損なう体験」

 

2017年5月、「自販機で手がベタベタ!」体験から、ブランドロイヤリティを下げている小さなことって意外と多いんじゃないかなと思い、独自に調査してみました。10代~60代の男女1,100名に聞いてます。
 
MRC調査:「商品イメージ」に関する実態調査(2017.05.25)
 
ジャンルごとに見ていきましょう。
 
 

「家電/雑貨」 ムダが出るとイメージダウンに

 
fa_report-brand-20170525.pdf-000010
 
「ボトルタイプのウェットティッシュを一枚だけとろうとしてもうまく切れず、複数枚のウェットティッシュが数珠つなぎに大量に出てしまう」が36.4%、「トイレ用ウェットティッシュが乾燥して使えなくなった」32.9%と、ムダになってしまった系がブランドイメージを悪くしている傾向にあるようです。(いずれも、「2度とそのブランドを買いたくないと思った」、「ブランドの印象が悪くなった」、「このこと以外が良いだけに残念な気持ちになった」を合算した数字)
 
 

「食品/飲料」 こぼれ系は強い悪印象あり

 
fa_report-brand-20170525.pdf-000015
 
食品/飲料系は動画で紹介した「炭酸吹きこぼれ」と、「お菓子散らばり」という、見た目にも手や部屋にも影響のある「やっちゃった系」が強い悪印象を与えるようです。でも、炭酸吹きこぼれは「経験ナシ」が35%もありますね。これはお茶や水ばかり飲んでいる人ということなんでしょうか、ラッキーな人なのでしょうか。ウチのオフィスに来てみてほしい!
 
 

「PC/スマホ」 女性はバッテリーケーブルにうるさい!?

 
fa_report-brand-20170525.pdf-000020
 
「PC/スマホ」は、あるあるネタばかりかと思っていたんですが、「経験ナシ」が多かったです。ワタシは「スマホの画面保護シールに空気が入る」には、今まで苦労してきました。数回は高いのを順に買っていったのですが、どれもダメで、今や百均にスイッチしています。それなら腹も立ちません。
ちなみに、性年代別で見るとこんな結果。スマホバッテリーにかんする調査を例に見てみましょう。
 
fa_report-brand-20170525.pdf-000017
 
このジャンルで特徴的なのは、全体に「気にしない」と心の広いところを見せていた女性票が、「スマホのバッテリーケーブルの故障」は許せないようです。たぶん全体でここだけが、コミュニケーションに支障を来す項目だったからだと思います。繋がりは女性にとってツボだと。覚えておきたいと思います。
 
さらに見ると、10代の若者がブランドに対するイメージを下げている割合が約2割と他年代と比べて少し高め、生まれたときからスマホがある、スマホネイティブ世代には、スマホ充電器の故障は黙ってやり過ごせないものなんでしょうかね。
 
いかがでしたでしょうか? 意外にあるもんですね。もちろんこれはほんの一部。もっといろんなマイナス経験があるでしょう。ワタシもいろいろあります。
 
が、別に企業の側も知らんぷりしているわけではありません


 
 
 
 

企業もめっちゃ努力している

 

以前、企画会議で、やっぱりブランドイメージの話をしていて、「ヨーグルトのフタを開けたら飛び散った」「私も」という話で盛り上がったんです。が、後日、明治さんがフタを改善していることに気付き、一気にファンになったことがありました
 
meiji-v1
引用:株式会社 明治「 お客様の声を活かしました」
 
MRC参考記事:【 知っておきたい! 】ブランドマーケティングで重要な「体験」を評価するために役立つ切り口をお教えします。(2016.06.17)
 
他にも、多くの企業が利用者の声を聞いて改善を続けています。
 
たとえばANAでは、機内食のメニューが変わったり、プリペイドカードの色が増えたり。
 
ANAグループ
引用:ANA「お客様の声にこだわっています」
 
NTTドコモでは、動画配信サービスの作品数が増えたり。
 
NTTドコモ
引用:NTT docomo「お客様の声を活かした取組み」
 
カルビーでは、パッケージの表示が変わったり、新商品(新しい味)が登場したりもしています。
 
カルビー
引用:カルビー「お客様の声に学びました」
 
様々な改善が行われているのがわかります。


 
 
 
 

ブランドロイヤリティを高めるには

 

上の企業の例を見てもわかるように、既存顧客を大事にして「ブランドロイヤリティ」を高める施策は多くの企業で行われています。顧客の意見をクレームだと思わず、実際にお金を払って「ブランド体験」してくれた利用者の改善提案だと考えれば、その中に「ビジネスチャンス」が隠れている可能性もあります。
 
実際、お客様からの「悪口」を集めたという会社まであります。焼肉チェーンの「牛角」。悪口を言えば300円割引していたとか。
 

牛角の1号店オープン当時、店舗経営が思うように
行かなかった事から、ある試みを行いました。

それは、お客様からお店についての「悪口」を言っていただき、
その御礼としてお会計から300円を割り引くというもの。
厳しいご指摘もたくさんありましたが、それらを真摯に受け止め、
すぐに問題解決に取り組みました。
その1つ1つの積み重ねがスタッフに真のプロ意識を根付かせ、
今日に至る事になったのです。

引用:レインズインターナショナル「お客様の声」
 
 
こうやって仕組み化してでも「小さな不満」を集めて改善していくことこそ、ブランドロイヤリティの高い、ロイヤル・カスタマーを獲得することへ繋がるのではないでしょうか。
 
じゃあ、お客様の声を集める、具体的な方法は?ということは、また機会があればMRC編集部でもいろいろと掘り下げていきたいと思います。

 
 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。今回紹介した『「商品イメージ」に関する実態調査』は、無料でダウンロードできますので、ぜひご覧下さい。記事に共感いただけましたらシェアやFacebookページのいいね!もぜひお願いします。

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