【 保存版 】動画ネイティブ時代に勝つための「動画広告AtoZ」、市場規模、種類、課金方法、主要メディア比較表、成功事例、独自調査まで全部見せます
【記事要約】
今回の記事では、最近SNSで見かけることも多くなった「動画コンテンツ」について、MRCの最新調査を元にした消費者動向をはじめ、「動画広告」の市場規模や、その種類、課金方法や成功事例など、「動画」に関するあらゆる情報をわかりやすく紹介しています。そして、来る「動画ネイティブ時代」において、企業のマーケティング担当が「動画」とどう向き合っていくべきか、ということを編集部なりに考察してみました。
目次:
SNSでも最近ほんとに動画が多くなってますね
Facebookやインスタ、LINEにTwitterにと、SNSで動画をあたりまえに見かけるようになりました。私もネコの動画はついつい見てしまいます。ちなみに最近のヒットはコレ。「ホラー映画を見ている猫」。
少し前まで、動画はYouTubeで探すものだったんですが、今ではタイムラインに滝のように流れてきます。
当然、動画広告を目にする機会も増えていますね。そして、以前は勝手に動画が再生されると、いちいちドキッとしたり、急いで停止したりしていたワタシですが、今では1ミリも心動きません。SNS自体も、不用意に音が出たりしない仕様に変更されたりでジャマにならないよう改善してきたことも大きいでしょう。要は、ユーザーもプラットフォーム側も動画慣れしてきたということですかね。
これはもう数年後には「スマホネイティブ世代」どころか、「動画ネイティブ世代」が生まれるのでは?ということで、動画元年からはや幾年、「動画ネイティブ時代」を迎えるにあたって、マーケティング担当はどのように動画や動画広告と向き合うべきか。MRCの独自調査をもとに考えてみました。
まずは動画広告のおさらいから
動画広告市場は爆拡大中!
引用:video-ad.net
Webマーケティングでは日本より数年進んでいるアメリカ。2011年あたりから動画広告が伸び始め、2016年には4倍に!しかも金額は1兆円規模です。
引用:video-ad.net
アメリカではその間に、動画広告のシェアも上がってきています。表示形式別に見ると、インターネット広告は11種類に分類されることが多いですが、伸びは断然1番でしょう。
インターネット広告の種類:表示形式別
1. バナー広告(ディスプレイ広告)
2. テキスト広告
3. 記事広告(タイアップ広告)
4. ネイティブ広告
5. 動画広告
6. リッチメディア広告
7. メール広告
8. コンテンツ連動型広告
9. リターゲティング(リマーケティング)広告
10. リスティング(検索連動型)広告
11. 位置情報連動型広告
引用:ferret(2016.06.09)
引用:video-ad.net
日本でも2年ほど遅れて、2013年ぐらいから動画広告が伸びてきました。日本では2014年が「動画元年」と言われることが多いですね。4年で5倍にまで急増しています。
動画広告が伸びている理由
なんでこんなに伸びてるの?は簡単。
・インターネット回線が速くなってきた。
・スマートフォンでいつでもネット接続できるようになった。
・おまけにスマホの利用料金も下がってきた。
・SNS(特にFacebook帝国)は動画広告取り込みに非常に熱心。
・特に若年層はテレビよりネット動画のほうをよく見るようになった。
・バズる(爆発的に広がる)対象が文字から動画に移ってきた。
・動画のほうが文字より印象に残り、効果もいい。
・低予算から始められるプランが多い。
と、いろんな要因が一気に相乗効果を生んでる気がします。
動画広告の効果に関しては、アメリカの動画マーケティング会社が出した、こんなデータがあります。
参考:Degital advertising benchmark report|adform
引用:LISKUL(2016.10.14)
CTR(クリック率)は通常の静止画バナーより動画バナーのほうが高いと。その上、広告を見て商品を購入した人の数も、バナー広告や検索広告(リスティング広告)より、動画広告のほうがいいと。
引用:WEBマーケティングの神様
それはこぞって動画広告に向かいますよね。
動画広告の種類/表示形式別
動画広告の種類は、サイトのどこに表示されるかという表示形式別で分類されます。大きく分けると、「インストリーム」と「アウトストリーム」です。
引用:DAC AD TECH BLOG(アドテク ブログ)(2016.03.15)
●テレビCM式の「インストリーム」
YouTubeの動画広告がわかりやすいですが、メインのコンテンツがあり、その前か途中か後にCMが流れる、民放テレビ方式です。メイン動画再生「前」に流れることを「プレロール(=プリロール)」、途「中」は「ミッドロール」、「後」を「ポストロール」と呼びます。
●動くバナー式の「アウトストリーム」
こちらは動画広告自体がメインで、バナーになっているタイプです。ディスプレイ型という言い方もします。「インバナー」、「インフィード」、「インリード」、「インターステイシャル」の4種類があります。
引用:動研 Viibar
・インバナー動画広告
サイト内のバナー枠に表示される動画広告。インディスプレイ広告とも呼ばれます。DSP(Demand-Side Platform、広告配信サービス)でターゲット・セグメントのうえ、配信されることが多いタイプです。マウスオーバーすると動画が大きくなる(エキスパンド表示)といったインタラクティブな仕組みが可能なサイトもあります。最近はデフォルトで音声がOFFになっているものが多いので、反感は持たれにくいですが、気付かれにくくなったという声もあります。
・インフィード動画広告
SNSのフィード(タイムライン)など、コンテンツの途中に表示されるタイプです。タイムライン広告とも呼ばれます。コンテンツに馴染んだ形で表示されるので違和感が少ないですが、スルーされてしまうことも多いタイプと言えます。
・インリード動画広告
スマホ広告に多いですが、コンテンツを「読んで(リード)」いくと、動画広告が表示され、自動再生されるタイプです。インスクロール広告とも呼ばれます。ニュース系サイトでよく見られます。
引用:movieTIMES(2015.05.22)
※記事内には実際のデモ画面へのリンクもあり
・インターステイシャル動画広告
上の図にはありませんが、最近登場してきたタイプです。ページ移動時に、独立した広告専用ページが全面表示されます。スキップボタンを押すか、一定時間経つと、目的のページに移動する仕組みになっています。ニュースサイトや、スマホのゲームアプリでレベルが上がる際などによく使われています。
スマホアプリで、強制的に広告がポップアップで全面表示(半面の場合も)されるものもインターステイシャルと呼ばれることがあります。出てくるタイミングはインリードに近いですが、インターステイシャルはポップアップで全画面表示になることが多いという違いがあります。このタイプはユーザーからコンテンツが読みにくいと不評で、グーグルもSEO上マイナス評価をしていると言われ、今後改善が求められています。
動画広告再生の方法
動画広告が、静止画広告やテキスト広告と大きく違うのは、再生を自動で行うかどうか、途中で再生をストップもしくはスキップできるのかどうか、というように時間軸があることです。基本的にこれは広告主が選べるわけではなく、SNSやDSPによって決まっています。
再生を途中でスキップできるタイプを「スキッパブル広告」と言います。動画の時間的には1分半程度のものが多くなっています。逆に、再生が始まったら最後まで止められないタイプを「ノンスキッパブル広告」と言います。こちらは強制的に見せることもあり、15秒というテレビCMと同じ長さのものが多いですね。
動画広告の課金方式
バナーでも、表示・クリック・CV(コンバージョン)など課金方式がいろいろあるように、動画広告も課金方式は様々です。主な課金方式にはこのようなものがあります。
CPV(cost-per-view)
動画広告が1回再生される度に課金される方式です。YouTubeなどのインストリーム広告はこのCPV方式が主流です。どこまで再生されると課金されるのかはいくつかパターンがあります。
・再生が開始されたら課金
・ある一定時間以上再生されたら課金
・再生された時間に比例して課金
・最後まで再生された場合に課金(=下のCPCV)
・上の4つを組み合わせた方式
CPCV(cost-per-completed-view)
動画広告を最初から最後まで完全に再生された場合に課金される方式です。
CPM(cost-per-mille)
動画広告が1000(mille=ミル=フランス語で1000)回「表示」されるごとに課金される方式です。再生課金ではなく、インプレッション(表示)に対して課金されます。静止画バナーの流れを汲んだスタイルです。
CPC(cost-per-click)
動画広告1クリックごとに課金される方式です。インターネット広告の課金方式で主流となっているCPA(cost-per-action/cost-per-acquisition)の一種です。コンバージョンを再生でなく、その先のクリックに設定しています。
どのような課金方式かは、媒体や商品によって異なります。Facebookの動画広告のように、CPMかCPCか選べる場合もあります。
動画広告の効果測定
動画広告を行う目的や、出稿後の効果測定指標にはおもしろい傾向があります。アメリカの動画配信プラットフォーム「Videology」が行った広告主への調査によると、効果指標として、「ブランドへの影響」が「視聴後の行動」や「売上への影響」より断然多いという結果が出ています。
引用:movieTIMES(2014.07.11)
インターネット広告では、自社サイトへの誘導や、その先の問い合わせ、資料請求、購入といった直接的な売上への影響を求める傾向が強くなっています。しかし動画広告では、その手前のブランドの認知やイメージアップを求める傾向が強いようです。これは、動画広告がテレビCMに近い役割を求めて使われているからでしょう。なので、一般的なWeb広告ではCPC(クリック課金)が選ばれますが、動画広告では広告主の91%がCPM(インプレッション課金)方式で出稿しているということです。
ブランドリフト調査で効果測定
テレビCMに近い使われ方ということは、KPI(重要効果指標)もコンバージョンではなく、「ブランドへの影響」がどうだったか、に設定する場合が多いと思います。その際、効果測定するのに使われる数値は、「ブランドリフト」と呼ばれる指標が一般的です。ブランドリフトとはその名の通りブランドイメージをプラスの方向に持ち上げることを指します。動画広告でそれが実現しているか測定するのが「ブランドリフト調査」です。YouTubeやFacebookを始め、様々なメディアやDSPで行われています。
YouTubeを見ていて、動画の代わりにこんな無音のアンケート画面が出てきたことはないでしょうか?
引用:Google Ads Experts(2016.09.16)
そんな形でアンケートを取り、対象ブランドの広告に接触したユーザーと、非接触ユーザーの数値を比較し、イメージアップしているかどうかを測るのです。
なんでも無料にしていくGoogleは、YouTube動画広告の広告主に無料で「ブランド効果測定」を提供しています。スゴいですよね、いつも驚きます。
調査項目は「広告想起率」、「ブランド認知度」、「ブランド好意度」、「購入意向」と、ブランドリフト調査として抑えておきたいところはしっかり入っています。グーグルらしく、「検索上昇率(サーチリフト)」なんていう数値もわかります。
引用:Google Ads Experts(2016.09.16)
まぁ正直なところ、あのアンケートに真面目に答える人がそんなに多いとは思えないので、数値を完全に信頼できるわけではないでしょうが、参考になることは間違いないと思います。
動画広告の主な媒体
動画広告の出稿は、SNSや各種サイトへの「直接出稿」、TubeMogulやYahoo!プレミアムDSPといった「DSP(広告配信プラットフォーム)への出稿」、GoogleAdwardsでYouTubeなどに配信する「TrueViewへの出稿」が主な方法です。中でも人気の5メディアを簡単に紹介します。
主な動画広告メディア比較
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名称 | YouTube | LINE | |||
国内MAU | 5500万人 | 2700万人 | 4000万人 | 1600万人 | 6600万人 |
ユーザー層 | 10~50代男女 | 30~40代男女 | 10~40代男女 | 20~30代女性 | 10~50代男女 |
配信場所 | 投稿動画のプレロール | フィード内 | プロモツイート | フィード、ストーリー | タイムライン |
広告動画の長さ | 制限なし(3分未満推奨) | 最大120分 | 最大10分 | フィードは最大60秒、ストーリーは最長15秒 | 最大60秒 |
再生設定 | 自動再生 | 自動再生メイン | 自動再生 | 自動ループ再生 | 自動再生 |
音声設定 | 初期ON | 初期ON、マナーモード時はOFF | 初期OFF、タップON | 初期OFF、タップON | 初期OFF、タップON |
セグメント | 年齢、性別、地域、興味、関心など | 性別、年齢、趣味、アクティビティ、学歴、役職、所属グループ等 | 属性だけでなく、イベント連動、特定人物のフォロワーなども | FB連携者はFB同様。インスタのみも地域、年齢、性別、趣味等 | 年齢、性別、地域、興味関心(利用履歴からの推測) |
課金条件 | 30秒視聴(30秒以下の動画の場合は動画視聴終了)、動画内でのクリック | インプレッション課金、または10秒以上の再生時 | 動画が100%表示後3秒経過(or 50%表示で2秒経過)、動画クリック時点 | CPM、CPC、CPI(インストール課金) | インプレッション課金 |
※2017年6月27日時点
参考:movieTIMES(2017.03.29)
ウェブ部(2016.11.30)
業界別動画広告クリック率
動画広告に向く業界とそうでない業界もあります。アメリカの動画マーケティング会社が動画広告のクリック率を調査した結果がこちら。
参考:Degital advertising benchmark report
引用:LISKUL(2016.10.14)
上位と下位をピックアップしてみると、こんな順位になります。
1位:趣味・興味 0.82%
2位:ショッピング 0.67%
3位:ビジネス 0.62%
4位:旅行 0.52%
5位:アート 0.51%
~ ~ ~
19位:宗教・スピリチュアル系 0.21%
20位:社会 0.15%
21位:ギャンブル 0.13%
趣味系が強く、怪しめなものは弱いと。静止画・テキスト広告と同じ傾向ですね。スポーツとかペットなんか動画と相性がいいので、もっと順位が上がってもいい気がしますが。
動画広告の成功事例をチェック!
おさらいの最後に、成功した動画広告の事例をご紹介します。
YouTube動画広告で主婦層を狙い購入意向が+7.4%に
参考:動研 Viibar
旭化成ホームプロダクツ株式会社さんでは、ジップロック・コンテナーのリニューアルを機に、初のWeb動画を制作。主婦層を狙い、機能性を明るく楽しく伝える1分の動画で、YouTubeのTrueView広告を配信。総リーチ数=227万人、ブランドリフト調査によると、購入意向=+7.4%(業界平均の約2倍)、広告想起は+16.1%(同・約5倍)という大きな成果を上げました。
Facebook動画広告で35歳以上を狙いターゲティング精度は99%超え!
参考:facebook business
2020年東京オリンピックの公式スポンサーであるパナソニックさんは2014年9月、ジュニアアスリートを応援するプロジェクト、「Beautiful JAPAN towards 2020」の開始にあたってFacebookの動画広告を実施。日本各地の美しい風景とオリンピックを目指す若きアスリートの姿を4K映像で収めた動画を配信しました。結果、プロジェクト認知度は+5.5ポイント、スポンサーシップ認知度は+9.5ポイントのアップ。ターゲット設定した35歳以上の割合は99.1%という驚きの精度でした。
Twitterプロモビデオで1週間に再生270万回超!非課金比率7割!!
空港でリアル「人生ゲーム」やってみた!https://t.co/AycDoEmFcg
— タカラトミー (@takaratomytoys) 2016年1月8日
参考:movieTIMES(2016.07.13)
タカラトミーさんは人気商品「人生ゲーム」のリニューアルキャンペーンで、Twitterプロモビデオ(動画広告)を利用。空港の荷物受取所の回転台を使って、リアル人生ゲームを開催するというコンテンツが人気を集め、1週間で270万回以上の再生があったとか。しかも、その7割はユーザーによるリツイートから発生した動画再生「Earned View(アーンドビュー)」。なんとこれは非課金!バズればバズるほど美味しいTwitterならではの非課金エンゲージメントなのです。
と、事例で夢が広がったところで、次はMRCで行った動画広告に関する調査をご紹介しましょう。
動画ネイティブ時代の兆しが見えるデータ
MRCが動画と動画広告について行った独自調査です。
MRC調査:「動画&動画広告月次定点調査」(2017.06.21)
この調査では、「動画コンテンツ」とは映画などの有料コンテンツではなく、動画投稿サイトやSNS上で配信される無料の動画コンテンツや動画形式の広告に限定しました。また、受動的にたまたま見かけたのではなく、自分の意思で能動的に見る状態のことを「視聴」と定義しています。
Q)あなたは、インターネットやSNSなどで、動画コンテンツをどれくらいの頻度で視聴しますか? 最もあてはまるものをお選びください。
若年層ほど動画コンテンツの視聴頻度が高くなっています。10代だとほぼ半数が毎日視聴しています。テレビと置き換わっている真っ最中というところでしょうか。全体で見ても、毎日視聴が1番多く、視聴しないが2番目と、二極化が進んでいます。
Q)あなたは普段、インターネットやSNSなどで1日あたり平均どれくらいの時間、動画コンテンツを視聴しますか? 最もあてはまるものをお選びください。
頻度の次は、視聴時間。こちらも若年層ほど動画コンテンツの視聴時間が長いですね。10代の約半数が1日60分以上です。120分以上も2割を超えています。年齢が高くなるほど視聴時間は短くなっています。
Q)あなたが普段、動画コンテンツを視聴するデバイスについて、あてはまるものをすべてお選びください。
視聴するデバイスは、今や若いほどスマホが多くなり、年齢が高くなるとパソコンが多くなります。10代は9割以上がスマホで動画を視聴、60代は8割以上がパソコンと、対照的な数字です。タブレットはパソコンの代わりとして使われることが多いと言われますが、年齢層が高くなると、タブレットの数字が高くなることを見てもわかりますね。
Q)あなたが普段、動画コンテンツを視聴するプラットフォームについて、あてはまるものをすべてお選びください。
動画プラットフォームでは、YouTubeが全年代で圧倒的な強さです。動画を見る頻度と時間の多い10代では、Youtubeだけなく、Twitterも強いですね。そしてインスタグラム、ニコニコ動画、LINEと続きます。
Q)「動画を使用した広告(動画広告)」の視聴について、あなたの今月の状況にあてはまるものをお選びください。
そしてここからは、動画「広告」の視聴状況について。10代~20代は動画広告を「能動的に見る」割合が高くなっています。SNSのインフィード(タイムライン)広告などだと、普通の投稿とそれほど差がないので、広告でも面白そうであれば見る、という接し方なのでしょう。
Q)あなたが今月「動画広告」を見かけたプラットフォームについて、あてはまるものをすべてお選びください。
動画広告のプラットフォームとしても、やはりYouTubeが完全に他を圧倒しています。広告であることがわかりやすいプラットフォームだということも数字が大きくなっている理由だと思います。10代が動画広告を見かけるプラットフォームはYoutube、Twitter、LINE、インスタグラムの順です。インスタは年齢が高くなると数字がぐんと低くなり、10~20代との落差が大きくなっています。
Q)下記の様な形式の「動画広告」について、あなたの今月の状況にあてはまるものをお選びください。
●動画コンテンツ視聴前の「動画広告」(プリロール広告)
●動画コンテンツ視聴中の「動画広告」(ミッドロール広告)
●動画コンテンツ視聴後の「動画広告」(ポストロール広告)
●インフィード(タイムライン)「動画広告」
●バナー形式の「動画広告」
最後に、動画広告の表示タイミングや表示位置による違いを比較できる5つの表です。
1・2・3/YouTubeに代表される、目的のコンテンツの枠内に、コンテンツ再生の前・中・後に表示されるタイプ
4/FacebookやインスタグラムやLINEのタイムライン(インフィード)で、投稿の間に混じって表示されるタイプ
5/Yahoo!トップや各種サイトの右や下に表示されるバナータイプ
5タイプいずれも傾向は似ていますが、「動画コンテンツ終了後」と「インフィード方式」のエンゲージメント(購買やクリックなどの行動に繋がった)が高くなっています。
バナー方式も若年層のエンゲージメントが高いですが、広告だと一目でわかるため、年齢層が高くなると、「興味なし」と敬遠される傾向にあります。
全体に若年層の動画広告からのエンゲージメントは高く、動画に対する抵抗感が低いことが伺えます。
動画ネイティブ世代の迎え方
電通さんは「情報メディア白書 2017」の中で、今や動画がコミュニケーションの中心となってきていると分析しています。
スマホネイティブ世代のビジュアルコミュニケーションは動画を主軸としたものに再編成されつつあり、私たちはその現状を分析しながら、「動画時代のES-M-L」(Ephemeral/Short-Moru-Live)というキーワードを調査結果から導き出した。
引用:「電通報」(2017.02.21)
「エフェメラル/ショート」=「スナップチャット(Snapchat、スナチャ)」や「インスタグラム(インスタ)」のストーリーのように投稿が一定時間後に消えるSNSの機能です。インスタの参入で一気に一般化しました。
「盛る」=自撮り写真加工SNS「SNOW(スノー)」が代表的ですが、写真を加工すること。一時期はインスタのリア充盛り(隅に彼氏の手を少しだけ写り込ませたり)が全盛でしたが、今は耳とかヒゲを加える面白盛りが全盛です。
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もーめちゃめちゃ可愛くなるで!モデルは琴音ちゃん😻💚💙これまた可愛い〜!#大人気スタンプ #オススメ pic.twitter.com/8i9EXsivYY
— SNOW App(Official) (@SNOW_jp_SNOW) 2017年6月14日
引用:SNOW公式Twitter
「ライブ」=SNSはFacebook(フェイスブック)、インスタをはじめ、ライブ動画を熱心に売り込み中です。
これらはどれもMRCでも記事で紹介してきました。その課程で感じたことを共有したいと思います。
重要なのは「時間の共有」という考え方
「モノ」から「コト」消費の時代へ、などと言われます。その「コト」とは何かというと、気の合う仲間、同じ趣味嗜好をもつ人との「時間の共有」なのだと思います。音楽のCDからライブやフェスへの流れが象徴的ですが、「繋がり」にお金を払うようになっています。
共有の中心はテキスト→画像→動画へ
その流れに呼応するように、共有(シェア)のためのSNSが生まれ、今や一大産業と言っていいほど急成長してきています。仲間と共有する「コト」は、最初はテキスト、そして画像、今は動画に移ってきています。
動画は共有深度が違う
ではなぜ動画なのかというと、「より深く体験を共有したい、共有されたい」ということでしょう。動画はテキストや画像に比べて、情報量が格段に多くなります。その分だけ、共有深度が深くなるということです。
うまく活用すれば、オーディエンスとより深く繋がることができます。そうすれば、製品やサービスへのロイヤリティを醸成しやすくなります。
オープンマインドで動画制作を
ここで難しいのは、「オーディエンスとどんな体験を共有すべきなのか」ということでしょう。そのヒントが、以前のMRCの記事にあります。
MRC参考記事:【インスタ攻略】「検索はGoogleよりインスタ!」なユーザーを集めるにはInstagramのライブ動画がイイ!(2017.05.25)
パリコレ動画の事例を取り上げたんですが、「Beautiful People」というブランドがインスタにいろんな動画をアップしています。その再生数を比較すると、
①ブランド紹介+コレクションのダイジェスト動画 再生2,596回
②コレクション動画 再生2,019回
③別のコレクション動画 再生3,573回
④バックステージ(ちゃんとしたショーの服装姿) 再生3,604回
⑤バックステージ(モデルのTシャツ姿) 再生7,577回!!
チャンとしたショーの動画
よりも、こういうバックステージのカジュアル動画のほうが再生数はグンと多いんです。
引用:「Beautiful People」公式Instagram
これは、人間関係でも一緒ですよね。誰かのことをよく知ったり、ファンになるのって、公式の自己紹介じゃないですよね。なにかの時にポロッと出てしまった一言だったり、過去の失敗だったりしますよね。
「深く時間を共有する」ためには、バックヤードや自分の失敗まで見せる、オープンマインドな動画が必要なのです。
そう考えると、動画広告は刈り取り型の広告としてはもちろんですが、コンテンツマーケティング的=オーディエンスとの関係づくり的な使い方にも、大いに向いていると思うのですが、いかがでしょうか?
動画ネイティブ時代はもうすぐそこまで来ています。広告主も、プラットフォームも、広告代理店もそのときのために、今すぐ準備を始める必要がありそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。今回紹介した動画と動画広告についての調査報告書は、無料でダウンロードできますので、ぜひご覧下さい。記事に共感いただけましたらシェアやFacebookページのいいね!もぜひお願いします。
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