おすすめマーケティング記事 おすすめ 2017.07.24

【 消費者が見るAI 】1000人に聞いてわかった「わたしたちが人工知能にしてほしい仕事、してほしくない仕事」

 
【記事要約】
今回の記事では、最近注目の「人工知能(AI)」について、消費者視点の独自調査結果から、市場のニーズや不安を掘り下げています。人工知能にしてほしい仕事、そしてしてほしくない仕事、その結果が教えてくれる「市場の声」とは?ぜひ参考にしてください。
 
 
 
目次:


 
 
 
 

実は、最近、通風になりまして・・・

 

この前、足に痛みを感じて、近所の「外科」に行きました。かなり痛かったので。なぜかレントゲン撮影をしたのですが、ぜんぜん問題ないとのこと。なんで??と首をひねりつつ、とりあえず痛み止めをもらって帰りました。
 
知人に話すと「それって痛風じゃね?」とのこと。そういえば痛くなったのは、「板うにまるごと使ったカルボナーラ」を食べた夜だったなぁと、今度は「内科」へ。レントゲンではなく、血液検査をしてもらうと、プリン体さんがたくさん検出されました。はい、痛風ねってことで、尿酸を下げる薬をもらってかえりました。
 
内科とか外科とか、担当領域が違うのはしょうがないけど、初期診療がもうちょっと効率よくならないのかなぁ、と思いますよね。正直、こんなことなら、最近はやりの「人工知能」とかで診断してもらったほうが正確なんじゃないのって感じです。はい、やや強引な出だしでしたが今回はそんな「人工知能」についてです。
 
以前の調査では、「人工知能/AIに仕事を奪われる不安」を感じる人が多かったですが、今では「ハイテクなドラえもん」のように人工知能に「期待する声」も出てくるようになりました。
 
参考調査:
【緊急レポート】人工知能(AI)で仕事を奪われるって言うけど、クリエイティブ・マーケティング系は大丈夫?
 
ということで今回は、最近耳にすることが多くなった人工知能が、巷ではどのように受け止められているのか、その「期待」と「不安」をがっつり調査してみました。結果、ぼんやりと「市場の声」が見えてきましたよ


 
 
 
 

空前の人工知能ブーム始まる

 

2017年6月28日(水)~30(金)の3日間、東京ビッグサイトで日本初の人工知能関連のビジネスショー「AI・人工知能 EXPO」が開かれました。下の写真の通り大盛況。平日3日間で入場者数は8万人を超えたとか。
 
AI17_sokuho_01
引用:「AI・人工知能 EXPO」
 
ワタシは一番空いてそうな木曜午後の遅めに行ったんですが、それでもスゴイ人でした。「まぁ会場広いから」と思っていたら、人工知能関連のブースは会場の一部だけ、のところ来場者はほぼ人工知能目当てなんで、まるで満員電車状態でした。
 
ブームを超えて、「熱狂」とさえ言っていいんじゃないでしょうか。
 
でも、実は人工知能がブームになったのは、今回がはじめてではありません。昔から人工知能の研究をしている人の講演に行ったら、「研究者たちは『またか』と冷めています」みたいなことも言っていましたが、今回が第3次人工知能ブームです
 
研究が本格化したのは、コンピュータが登場した1945年あたりからです。第二次世界大戦が終戦し、暗号解読機械や技術が公開されて、進化が進みました。
 
そして1960年頃、第1次人工知能ブームが起こりました。暗号技術からの発展か、対話型の人工知能が開発され、世界を驚かせました。といっても、今のTwitterの自動Botよりレベル低かったらしいので、「人工無能」とかヒドいことを言われて、下火になったそうです。
 
第2次人工知能ブームは、1980年頃。ちょうどパソコンが登場した頃です。いきなり対話はムリということで、特定の用途に絞って開発されました。特に医療分野で、「エキスパートシステム」と呼ばれる方式がもてはやされます。専門家が病気の症状などを膨大に入力していき、人工知能が患者の症状から病名を診断するというものです。ものすごく手間がかかりますが、それなりの診断精度を誇ったそうです。が、「それってただの検索じゃないの?」と思いますよね。昔の人も「知能じゃないじゃん」と気付き、また下火になりました。
 
そして、21世紀に入ると、3度目の人工知能ブームが到来しました。今回のキーワードは「ディープラーニング(深層学習)」。簡単に言えば、人工知能が自らビッグデータを使って勉強し、賢く進化していくシステムのことです。
 
膨大なデータの中から特徴なり出現パターンなりを判断基準ごと学習し、応用するというものです。子どもが学校へ行かずに図書館で勝手に勉強していくイメージです。
 
それを可能にしたのが、クラウドの発達によるビッグデータの当たり前化と、IT長者たちの財力です。IT業界では、「AGFA」とよく言われますが、Apple、Google、Facebook、Amazonという時価総額のトップオブザトップのプレイヤーたちが、競って人工知能開発を進めています。
 
いままで2回のブームは、大きな期待→大したことなし、でしぼみましたが、今回はどうでしょうか? 毎日新しいニュースが流れ、バンバンお金が集まってるみたいですが。


 
 
 
 

MRCの人工知能調査で見えてきた期待と不安

 

ということで、熱くなっている「人工知能/AI」「ロボット」「IoT」関連ですが、マーケティング担当の気になることは即座に調査するMRCでは、これから毎月の、定点調査として人工知能やロボットについて、独自調査していきます。
 
技術的な難しい話はテック系メディアにお任せして、庶民目線のデータをお届けする所存です。その第1回目の調査結果がこちら。
 
fa_report-ai-20170706.pdf-000001
★MRC調査:「人工知能(AI)&ロボット 月次定点調査(2017年6月度)」
 
82ページの大作ですが、その中からマーケティング担当の方々に役立ちそうなものをピックアップして、ご紹介します。
 
 

人工知能には「軽めの用事」を頼みたい

 
FastaskReport20170720.pdf-000013
 
まず、「人工知能を使ったサービス」について、利用状況や興味のあるなしを聞いた質問です。人工知能を使い、「物件情報」「求人情報」「飲食店」「ファッション情報」「学習教材」「フィットネス情報」「旅行先や宿泊先」を提案するサービスは、どれも去年ぐらいから実用化されていますが、利用率はまだ低いですね。
 
ただ、若年層は利用率が高くなっています。たとえば利用率が一番高い「飲食店情報を提案」するサービスの状況を年齢別に見たのがこちら。
 
FastaskReport20170720.pdf-000008
 
利用率は、60代で0.0%、50代で1.1%。30代でさえ3.3%のところ、10代は16.9%と跳ね上がります。他のサービスも若年層ほど利用率が高く、興味も強い傾向があります。
 
「人工知能を使った飲食店情報提案サービス」とは、たとえばこんなサービスです。
 
Pecomy
引用:「Pecomy〜10秒で今日のランチを決めよう〜」
 
画面に表示される料理の写真を「○(ハート)」と「×」で判定していくと、今の気分にぴったりのレストランを提案してくれるiPhoneアプリです。膨大なレストランリストから探すより手軽だということでしょう。
 
「10秒で今日のランチを決めよう」とあるように、「勝負メシのレストランを探す」というより、まぁ一回ぐらい失敗してもインパクトの少ない、ランチの店探しから始めてみてみませんか、ということでしょう。
 
これは、受け手側の心理も同じですね。大きな差ではないですが、利用率や興味ありの数字が高いのは、「飲食店」「旅行先や宿泊先」「ファッション情報」といった、日常で何回もある、多少失敗しても許せるような項目のものです
 
一方で、「物件情報」「求人情報」といった、絶対失敗したくないようなものは、利用率も低く、興味関心も低くなっています。「自分の人生に深く関わるようなことは、まだ人工知能に任せられない」ということでしょう。
 
 

自動運転は距離の短いタクシーやバスから

 
FastaskReport20170720.pdf-000020
 
人工知能による「自動運転」の交通手段への抵抗感も聞いています。左の3つが自動運転にポジティブで、右側がネガティブな回答です。
 
とてもわかりやすいデータで、要は「長距離で長い時間乗るものは自動運転じゃ不安」ということでしょう。タクシーやバスのほうが、「無人の自動車運転にのりたい」と回答した割合が7%以上と高速バスや観光バスの6%よりも高く、時間も距離も短いから不安も少ない、と言っているグラフになっています。
 
整然と走れる高速バスが技術的には一番簡単で安全ですが、テクノロジーと気持ちは別、ということでしょう。
 
それからこの質問では、若年層は「価格が安いなら自動運転車に乗りたい」(紫)という回答が約2割と全体でいうと一番多く、自動運転への抵抗感は比較的少ないようです。
 
続いて、気になる「人工知能と仕事」問題。今回は「医療」と「飲食」を取り上げました。
 
 

医療の仕事、どれが人工知能に置きかわる?

 

置きかわると思う仕事

 
FastaskReport20170720.pdf-000042
 

置きかわってほしい仕事

 
FastaskReport20170720.pdf-000054
 
同じ仕事について、置きかわると「思う」、置きかわって「ほしい」の両方を聞きました。同じ仕事であれば、だいたい両方とも同じ数字なのですが、ギャップがあるのが、「医師」と「薬剤師」。
 
医師は、4割の人が「一部の仕事が人工知能に置きかわらると思う」(すべて置きかわると一部置きかわるの合計)と答えていますが、「置きかわってほしくない」と答える人はそれを超えて5割。
 
一方、薬剤師は、「置きかわらると思う」と答えているのは6割で、「置きかわってほしくない」人は3割です。
 
逆に「人工知能に置きかわってほしい仕事」としては、「医療事務」(17.7%)、「薬剤師」(11.6%)、「歯科技工士」(8.5%)がトップ3。現在でもコンピュータや機械をよく使っている仕事ほど、置きかわってほしいと思われているようです。
 
 

飲食の仕事、どれが人工知能と置きかわる?

 

置きかわると思う仕事

 
FastaskReport20170720.pdf-000065
 

置きかわってほしい仕事

 
FastaskReport20170720.pdf-000076
 
医療に続いて、飲食業編。こちらは医療系よりも全体的に「置きかわると思う」人が多いですが、置きかわってほしいかどうか聞くと、「置きかわってほしくない」人が多いのが特徴です。
 
置きかわってほしくない仕事は、「和菓子職人」(55.7%)、「板前」(55.3%)、「寿司職人」(55.2%)がトップ3。料理をつくる、クリエイティブな部分は人工知能ではなく、人間に任せたいと考える人が多くなっています
 
 

人工知能への期待感強い

 
FastaskReport20170720.pdf-000080
 
続いて、「人工知能への期待感」について。「どちらかというと期待している」という人が多い(37.1%)ですね。これは、どの年代でも同じです。次に多いのが、「どちらともいえない」(24.8%)。期待と不安の間で様子見というところでしょうか。この浮動票がどちらに動くのか、注目していきたいと思います。
 
 

人工知能への不安は「犯罪」と「事故」

 
FastaskReport20170720.pdf-000083
 
最後に、「人工知能への不安」。これはもっともなものばかりが高い数字をたたき出しています。
 
1位「人工知能を悪用した犯罪」(42.7%)
まず、人工知能を使ったオレオレ詐欺は間違いなく登場しそうです。もう登場しているかもしれません。
 
参考記事:「ROBOTEER」(2016.11.07)
オレオレ詐欺に悪用!?「人工知能でボイスフィッシング犯罪増加」米紙警告
 
 
2位「人工知能による事故」(41.8%)
すでに2016年5月、アメリカで電気自動車メーカー、テスラの自動運転車による死亡事故が起こっています。ただ、人間が運転するよりは自動運転のほうが事故は少なくなると予想する専門家が多く、難しいところです。
 
参考記事:「現代ビジネス」(2017.01.26)
世界初の「自動運転」死亡事故、メーカーが「お咎めなし」の理由
 
 
3位「人工知能の暴走」(37.6%)
映画「ターミネーター」のスカイネットのイメージですね。人工知能が人間を支配するという。今はまだ人工知能は単機能なので、暴走しても将棋で変な手を打つといったところで、スカイネット感はないです。ただ今後、人工知能が人間同様にいろんなことができるようになり(AGI=汎用人工知能)、人間を介さず自分たちで技術を進歩させていくようになると、恐ろしい存在になるかもしれません。
 
というように、この調査全体から感じ取れることですが、人工知能やロボットに対する期待は大きいですが、「精度」や「信頼性」に対する不安も大きいようです
 
チェス、囲碁、将棋では、人間のプロと比べることによって、人工知能の優秀性が広まりました。今後は、たとえばクルマの運転でプロのレーサーと人工知能が争ったりするのかもしれません。


 
 
 
 

人工知能の調査、続けていきます

 

それから、人間には、人工知能やロボットに「してほしいこと」と「してほしくない」ことがあるようですね。まず「人生」とか「安全」に関わることは、人工知能にしてほしくないようです
 
そして、恋愛とか親子関係のような、効率とか理屈だけでは割り切れないことも、人工知能では難しいのではとも思います。正論が必ずしも正解にならない、人間の機微のような部分ですね。
 
ただ、これは人工知能の進化によって変わってくるかもしれません。ここ数年で、人工知能への不安はずいぶん減ってきています。今後は、人工知能が人間の機微をわかるようになるかもしれませんし、人間が機微を手放して、正論を選択するようになるかもしれません。
 
それがどうなっていくのかを見ていくために、MRCでは今後も人工知能やロボットについて、毎月定期的に調査をし、その成果を記事化していきます
 
特に、ビジネスパーソンの興味を集める「人工知能に仕事を奪われるのか」というテーマはしっかりウォッチし続けます。「置きかわってほしい仕事」と「置きかわってほしくない仕事」の差を掘り下げて分析することで、人工知能関連サービスに携わる人はもちろん、日々業務に邁進しているマーケティング担当が自身の仕事を見つめ直すことにも役立つのではないかと思っています。
 
もし、人工知能やロボット、IoTといったテーマについて、取り上げてほしい内容や取材先がありましたら、Facebookのメッセージやコメントなどでお知らせください

 
 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。今回紹介した「人工知能(AI)&ロボットに関する月次定点調査」の結果は、無料でダウンロードできます。記事に共感いただけましたらシェアやFacebookページのいいね!もぜひお願いします。

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