【 チャットインタビュー 】SNS投稿をきっかけに商品購入!そのとき現場では何が起こっているのか?
【記事要約】
すっかり定着しつつあるSNS起点での商品購入。MRCでもたびたび切り口を変えて「定量調査」を行っています。今回は、そんな「SNS起点での態度変容」に対して、8月1日に新たにリリースしたチャットインタビューサービスである「Sprint」を用いて、深く、深~く掘り下げてみました。ぜひご参考ください。
目次:
SNS投稿をきっかけに商品って買う?
あっ、ついこのあいだ私、インスタのタイムラインに流れてきた「大つけ麺博」の写真に誘われて行ってきたんでした。
いや、左上の女の子の写真じゃなくて、麺のほうですよ。
つけ麺もいいですが、寒い日は「ラーメン」がいいですよね。
とまぁ、SNSを起点とした購買や行動は若者を中心にどんどん広がっていますが、MRCでもSNS絡みの購買行動について、いろんな調査をしています。
今回は、今までの「定量調査」だけでなく、最近新たにリリースした「チャットインタビュー」のサービスを使って、「SNS投稿をきっかけとした消費行動」について掘り下げてみました。記事の後半で、インタビューの「動画」もご覧になれますよ。
SNS起点の消費行動について、「定量調査」ではどうだった?
チャットインタビューに入る前に、まずはMRCでの「定量調査」の結果をさらりとおさらいしておきます。
<MRC調査>
スマホで検索をする際に使うのは「Google」?「SNS」? (2016年5月調査)
検索はGoogle&SNSの時代
若年層、特に女性はSNSで企業やブランドを検索するのが普通になってます。10代女性の2割は「Twitterで好きな企業やブランドを探すことが多い」とのお答えが。
ファッションはインスタ
ファッション情報の検索では、若年層の女性はもうGoogleよりインスタが勝ってます。特に20代女性の3割は「流行のファッション情報やコーディネートをInstagramで探す」とか。
驚きますが、ファッションやコーディネート情報だと、10代女性でGoogleで探しているのは1割に届きません。ほぼ使われてない感じです。インスタ、強いです。
レジャー情報は速報性のTwitter
レジャー情報は若年層の女性だけでなく、30代男性も2割は「SNSのネタになるようなレジャースポットをTwitterで探すことが多い」とか。リアルタイムでその場所の天気や混雑具合がわかるので、かなり使えるそうです。
若年層ほどSNSを購買の参考にすることが多い
男性はTwitter、女性はインスタが強い傾向がありますが、若年層はSNSを購買の参考にしている率が高いですね。「フォロー」や「シェア」への抵抗感も低いようです。
これはインターネット利用の場がPCからスマホに移行したことと関係がありそうです。周囲の若手に聞いても、「ブラウザを立ち上げてGoogleで検索するのが面倒」「スマホでGoogleを立ち上げることってほとんどない」という反応です。
だから情報は普段使っているSNSで、という流れが自然なのでしょう。買い物も楽天市場やヤフオクよりメルカリに移っているように、メディア情報より個人発信の情報の方が信頼できるというイメージもあるんでしょう。
では、そんな人たちが、SNSで情報を知ってどのように購買にいたるのか?そのメカニズムをインタビュー、それも「チャットを使ったインタビュー」を通して見ていきましょう。
チャットインタビューでリアル生活者の声を聞く
チャットインタビューでは、最初に年齢や職業などをセグメントし、パネルモニタさんたちに一つ質問をして、集まってきた答えの中からインタビュー対象をひとり選んで、30分間チャットで聞きまくるというスタイルです。
解説:Sprintとは?
ジャストシステムが2017年8月にリリースした、「わずか5分でターゲットとなる消費者に出会えるチャットインタビューサービス」です。従来のリアル・インタビューよりもはるかにスピーディーで、リアルタイム性があるのが大きな特徴です。
「インスタ映え」という言葉が流行語化しているように、SNSは自分で情報を発信している人がクローズアップされがちですが、多くの人は情報の受信がメインです。興味のある情報を取り入れる雑誌のような使い方をしています。「サイレント・マジョリティ」はSNSでも、メイン層を占めます。リアル社会と変わりません。
その人たちの生の声はタイムラインを見ていてもなかなかわからないものです。定量調査だけだとニーズをつかみきれません。つまり、定性調査的なアプローチが必要になるワケです。そこで、チャットインタビューの出番です。
で、今回の質問は、「SNSの投稿をきっかけに購入したモノやサービスはありますか?」。いろいろなお答えが返ってきましたが、3人の方をピックアップして、それぞれじっくり聞いてみました。(=デプスインタビューを3回行いました。)
■チャット1■
Aさん・20代前半女性(独身)
「Twitterで知ったピアスを購入」
最初はTwitterのリツイートを見てアクセサリーを買った20代前半の女性です。
Twitterでフォローしている人の「リツイート」で知って惹かれたそうです。フォロワーのお勧めは強いです。
ちなみに購入先の「Lumiere teardrop」さんはハンドメイド作家の方で、ハンドメイド作品のマーケットである「minne(ミンネ)」やお手軽ECサイト「BASE(ベイス)」に出店されています。
こんな作品です。チャットインタビューだと写真も見せてもらえるのでいいですね。
ツイートで一目惚れしたようです。
何度か作品をみるうちに魅力を感じ、お金に余裕が出たときに購入したそうです。TwitterやIntagramなどのSNSを雑誌的なメディアとして使って、世界観やパーソナルヒストリーを知ってファンになってもらい、ECで購入してもらう流れですね。
ファンになると、他の人にも勧めてもらえるようになります。
もうこうなると、売り手と買い手という感じではないですね。ファンとか身内の世界です。
Aさんはアクセサリーを2回購入し、今でも作者のインスタを多い日で1日に5~6回も見に行くそうです。愛さえ感じます。
一連のインタビュー動画はこちら。ノーカット8倍速でお届けします。
■チャット2■
Bさん・30代後半男性(独身)
「インスタで知った民泊に宿泊」
次はインスタ好きの男性です。女性のイメージが強いインスタですが、ここのところ男性ユーザーも増えてきています。Bさんもここ1~2年、チェックしているそうです。
自分が興味がある投稿をしている人を100人ほどフォローしているというBさん。インスタで見た写真を見て、民泊施設を利用したそうです。
予約した民泊施設へは、インスタの投稿にあるハッシュタグからオフィシャルサイトに移動し、直接問い合わせるというスタイル。それなりに手間はかかりますが、雑誌で見て旅行会社へ行くとか、ウェブメディアで見てホテル予約サイトで比較検討して云々、というアナログな手間はスカッとなくなっています。
価格比較はしたものの、ザッと見た程度のようです。文章からは「一応比較もしとかないと」ぐらいの確認に読めますね。広告ではなくインスタでフォローしている人の投稿だという安心感は大きいのでしょう。「自分も行ってきました」って言えるのもあるでしょうし。
SNSの投稿をきっかけにどこかへ行ったり、何かを買ったりというスタイルは気に入っているようです。これからも「全然ありますよ」とのことです。レジャー、トラベル、グルメ、ファッション系はインスタの時代が続きそうです。
■チャット3■
Cさん・30代前半女性(既婚)
「インスタで知った子供服を購入」
最後は、インスタを3年半ほど前から見ているというCさん。オシャレな料理や可愛い子供服の情報を発信している人を170人ほどフォローしているとか。
最近、インスタで見た珍しい色のかわいいパーカーを購入したそうです。
購入のきっかけは、投稿を見ていつもおしゃれな服を子供にきせていると思っていたママさんの投稿から。そのママさんは読む限り、インフルエンサーのように企業の依頼を受けて販売したりもしているようです。
購入までのステップはこんな感じ。
投稿を見て → フォローアカウントから販売サイトへ移動 → ダイレクトメッセージを送付して購入、という流れ。
しかも、比較はせずに、即決です。
インスタはオフィシャルなメディアではあるものの、フォローシステムがあるので、リアル社会のクチコミのような役割を担っていますね。Cさんは買った商品をママ友たちにもお勧めしています。
そして今回の買い物の満足感は高かったようで、今後はインスタで子供服を購入することが増えそうだと言います。
SNS経由の購買は「即決」が多いのか?
三者三様のチャットインタビューを見てきましたが、共通点もありました。
★自分と興味関心の内容がマッチするアカウントをフォローし、普段からその投稿を見ている。
★「よい」と思ったらしばらく覚えていて、条件が整ったときに購入する
★購入の手間が多少あっても購入し、比較はあまりしない
★リピートもするし、クチコミもする
こんなところは共通していますね。検索や広告で見るコンテンツより、「普段から気になっている人」からの「売り込みのないお役立ち情報」は広告よりも、より価値を感じるということでしょうかね?それとも、SNSという巨大なUGCプラットフォームによる「逸品との運命的な出会い」の演出効果でしょうか。
そして、それだけ価値を感じるからこそ、購買までの多少のハードルは簡単に乗り越えてしまう。そういえば、一時期インスタとかで「BUYボタン」が実装されるとかどうとかありましたけど、「BUYボタン」があることで、それらの「ユーザー体験」をそこなうぐらいならば、ない方がいいかもしれませんね。だって明らかに「広告」じゃないですか。
チャットインタビュー、なかなか有意義だったので、また違ったテーマでやってみます。もし、こんなテーマでやってほしい!という方がいらっしゃったら、お気軽にFacebookページからメッセージをください。
また、今回行ったチャットインタビューは「Sprint」というサービスで実施することができます。興味があるかたはぜひWebサイトをご覧ください。
5分でペルソナモニタに出会えるチャットインタビューサービス
Sprint
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