おすすめマーケティング記事 おすすめ 2017.11.13

【一覧表つき】市場調査はこれでOK!全11種類の調査、お金と時間ってどれだけかかる?

 
【記事要約】
市場調査を任せられたそこのアナタ!何から手をつけていいかよくわからない、なんて悩んでいませんか?そんなアナタに、市場調査のやり方を、具体的な事例を使ってご紹介します。ぜひ参考にしてください。
 
 
近年、市場調査が右肩上がりで伸びてきています。業界団体である一般社団法人・日本マーケティング・リサーチ協会の推計では2013年以降、着実に市場規模が拡大してきているとか。
 
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引用:JMRA 日本マーケティング・リサーチ協会 第42回経営業務実態調査
 
成長を引っ張っているのはインターネット調査(オンライン調査)でしょうか。ローコストと超スピードで大量のアンケート回答が得られ、それまでの調査とは比較にならない手軽さで調査ができるようになりました。で、たくさんの企業に活用されています。
 
インターネット調査と言えば、最近では「チャット調査」まで登場し、アンケートのようにマス対象の調査ではなく、1対1のインタビュー調査までできるようになっています。
 
 
 
目次:


 
 
 
 

市場調査ってそもそも何?

 

「市場調査」とは、主に企業がマーケティング推進のために市場や顧客の意向・動向を探る調査のこと。調査結果を分析して、商品開発や価格決定、プロモーション、販売数予測などに活用されています。
 
市場調査と似た言葉で「マーケティング・リサーチ」という言葉もよく使われます。マーケティング・リサーチを日本語訳すると市場調査、という説明をしているメディアも多く、同じ意味で使われていることが多いと思います。
 
しかし、調査の専門家は両者を分けて使うことも多いです。
 
●市場調査=商品企画や商品開発など商品が完成するまでに、商品をより良くするための調査
 
●マーケティングリサーチ=広告や販促などプロモーションに関わり、商品をより多く、より高く販売するための調査
 
という分類をしているそうです。


 
 
 
 

市場調査はなんのためにするの?

 

市場調査の意義とメリット

 
市場調査はもともと1908年、アメリカのフォード社が「T型フォード」という世界最初の大量生産車を発売する際、大々的に調査を行ったことから始まったとされています。
 
市場調査によって、未知の地域や未知の顧客層がどう思っているのかを「数字で」把握できるようになりますので、誰が見てもわかりやすく、数字の大小によって様々なマーケティング施策を調整できます。
 
大量生産の場合、一度販売してしまって売れなければ損失が大きいので、事前に成功失敗やその度合いをシミュレーションできるのは大きなメリットです。そして調査結果から、自分たちでは予想していなかったことがわかり、ターゲット(市場)を変更したり、価格を調整したりという具体的な「打ち手」に繋げられることが多いのもメリットです
 
 

市場調査の活用方法

 
市場調査は様々な目的で行われます。代表的なものを挙げてみます。
 

○ブランドイメージ調査

消費者に自社商品と競合商品のイメージを聞く調査です。自社のブランド戦略が届いているか、まだ伸びしろのある、有望な市場がないかなどを調査します。小売業などでは企業全体のイメージを調査することもよく行われています。
 

○商品開発調査

商品のターゲットとなる人たちのニーズや不満点などを聞く調査です。新商品開発にも既存商品改良にも活用されます。
 

○価格調査

商品の価格をいくらにするかという価格戦略はマーケティング上、とても重要です。メーカーや小売業界ではいくらならどれぐらい売れるか、地域によって変える必要はあるか、といった市場調査がよく行われます。
 

○満足度調査

既存商品や新たに参入しようとしている分野の競合商品に対して「使ってみてどうだったか?」を聞く調査です。商品開発調査同様、改良点やニーズを掘り起こすために多くの企業で行われています。
 

○販促調査

広告やイベント、販売支援に何を行うと販売量が増えるかをターゲット顧客に聞く調査です。広告のデザインやキャッチコピーを数種類提示して、どれがいいかを選んでもらう広告調査などもよく行われます。


 
 
 
 

これだけは押さえたい!主な調査方法

 

市場調査と一言で言いますが、調査の種類は数多くあります。ここで代表的な調査の種類をご紹介します。
 
 

定量調査

 
調査対象の「量(人数など)」や「割合(%)」を調べるのが、「定量」調査です。調査結果は数値や表、グラフなどで表されます。例えば、ある商品がどれくらいの人に知られているか(認知度)、売れている地域と売れていない地域はどこか(地域別利用率)など、比較的広い範囲でたくさんの人に対して調べる調査方法です。通常、1回の調査で約100~1000ほどのサンプル(回答者)に対して調査します。
 
代表的な調査方法には、次のようなものがあります。
 

○アンケート調査

 
・訪問調査
調査員がアンケート用紙を持って調査対象者の自宅や会社などを訪問して行うアンケート調査
 
・電話調査
調査員が調査対象者に電話をかけて行うアンケート調査
 
・FAX調査
調査対象者にアンケートの回答用紙をファックスで送付してもらうアンケート調査
 
・インターネット調査
インターネットを利用して、調査対象者にオンライン上の調査フォームで回答してもらうアンケート調査。調査票の作成から実査(実際の調査)と集計までを調査希望者が自分で行う「セルフ型」と、すべてを調査会社に依頼して行うタイプがあります。
 
・街頭調査
調査員が街頭や駅周辺などの人が多いところで対象者を見つけ、直接口頭で質問したり、アンケート用紙に記入してもらうアンケート調査。事前に用意された対象者ではないので、調査に時間がかかる場合もあります。
 
・郵送調査
調査票を対象ユーザーに郵送して行う形式のアンケート調査
 
 

○会場調査

事前に準備された会場(クライアント企業や調査会社オフィス、レンタル会議室など)で調査対象者に製品などの感想を聞いた結果を回収しデータ化する調査。CLT(Central Location Test)調査とも呼ばれます。
 

○ホームユーステスト (HUT)

ユーザーに家庭で商品を使用してもらい、使用した感想などを調査する手法。ユーザーに調査票を返送してもらうか、調査員が直接訪問して回収するパターンがあります。
 
 

定性調査

 
定量調査とは違い、数字では表せない調査対象者の意見や行動などを探るのが、「定性」調査です。たとえば、ある商品の利用率が高いのは「なぜなのか?」、使っている人は「どこが気に入っているのか?」というような、ある事象に対する理由や要因を深く探ることができます。定性調査は、通常1対1や数名のグループなど、少人数で行われるのが特徴です。
 
代表的な調査手法には、次のような方法があります。
 

○インタビュー調査

調査対象者に直接聞く調査方法
 
・グループインタビュー
複数人のグループに対して行う形式のインタビュー調査
 
・インデプスインタビュー
通常1対1で調査対象者個人に深く(デプス)聞き込む形式のインタビュー調査
 

○ショップアロング調査

商業施設などで、調査対象者が実際に買い物している様子を付いて回って観察し、購買後にインタビューして、それぞれの商品を買うまでの心理の動きなどの実態を調べる調査
 

○行動観察調査(オブザベーション)

先入観を持たずに、調査対象者の行動を細かく観察し、行動パターンや心理を知る調査
 

○ミステリーショッパー

調査員であるモニターが客となって該当店舗へ訪問し、(店舗に気づかれないように)実際の購買行動を行いながら、従業員のサービスや、商品の陳列状態や清掃状況など、店舗の現状をチェックする調査


 
 
 
 

定量調査と定性調査を比べてみると…

 

定量調査 定性調査
メリット ・調査結果が数字として現れるので、説得力がある
・多くのサンプル(回答者)を得られるので、比較的誤差が少ない
・多くのサンプルを短期間で回収できる
・定量調査では聞けない、ユーザーの生の声が聞ける
・自社の仮説や想定にとらわれない意見を得ることによって、新たなアイデア発掘のヒントになる
・ユーザー自身も気づいていない「インサイト(深層心理)」を発見できる
デメリット ・設問文や選択肢の書き方など、調査設計によって結果が変化する
・統計知識がないと、数字の理解に時間を要する場合がある
・アンケート調査の場合、質問に対する回答しか得られない
・調査によっては時間がかかり、アンケートの回収が困難なものもある
・定量調査に比べてサンプル数が少ないため、全体の傾向とは言い切れない
・インタビュアーの能力によって聞き出せることが異なる
・会場の手配やインタビュー候補者の選定などで手間とコストがかかる
使い分け ・数字で分析したい場合
・男女別、年齢層別など、対象層ごとに比較検討したい場合
・感覚や感情などの心理的な感想を知りたい場合
・大まかにターゲットの心を知ってコンセプトやコピーを作成したい場合
ポイント 数値と割合を調査 内容と理由を調査

 
参考文献:JMRX著 岸川茂編(2016) 『マーケティング・リサーチの基本』 日本実業出版社


 
 
 
 

市場調査の費用と所要時間をしっかりと押さえよう

 

市場調査には費用がかかります。そして、調査会社によって大きな金額の開きがあります。調査手法によっても変わってきます。調査対象者の人数によっても変わります。ただ、だいたいの相場はありますので、ページ最下部の一覧表に各調査手法ごとの金額の目安を挙げています
 
そして、所要時間も調査手法によって大きく変わります。セルフ式のインターネット調査でアンケートを取るのであれば、それこそ数日ですべてできる場合もありますが、ホームユーステストやグループインタビューなどだと、調査対象者の候補を集めて決めるだけで数週間かかることもあります。その相場も一覧表に挙げてありますので、ぜひ参考にしてください。


 
 
 
 

市場調査で失敗しないための5つのポイント

 

時間もコストもかかる市場調査。なるべくなら失敗したくないものです。次は市場調査で失敗しないポイントをご紹介します
 

point.1 調査目的は絞り込む

漠然とした目的からは、漠然とした結果しか生みません。特にデータを扱う定量調査の場合は、目的をより絞ってから行うべきです。絞り込むのが不安であれば、優先順位をハッキリさせることを意識してください。それが活用できる結果に繋がります。
 

point.2 定量調査と定性調査、両方実施が効果的

広く浅い定量調査と、狭く深い定性調査。どちらかだけでなく、両方行うことで分析が広く深くなります。その際、同時ではなく時間を空けて実施します。結果の仮説がしっかり立てられる場合は、最初に定量調査で全体感を掴んでから定性調査で深掘りです。仮説が不安な場合は、最初に定性調査でキーワードを抽出し、それを元に定量調査を実施します。
 

point.3 サンプル数は多くし過ぎずに

調査をしようと考えると、つい完璧を求めて、サンプル数を多くしたくなりがちです。もちろん、サンプル数を多くした方がより正確な調査ができます。しかしいたずらに数を増やせばコストが増加してしまいます。。ターゲットとする層から500~1000サンプル程度抽出できれば、統計上は信頼できるデータが集まります。サンプル数を抑えることで、費用も抑えられます。
 

point.4 調査票が結果を左右する

質問のしかたで答えをコントロールできる、という言葉を聞いたことがあると思います。同じことを聞く場合でも質問の文章や回答の選択肢の順番などによって、回答を誘導できるという意味です。わざとではなくとも、無意識に誘導してしまうこともあります。調査票作成はできるだけ中立的に、誤解を生まないように作成することが必要です。
 
アンケート調査票の具体的な手順は、こちらの記事でも紹介していますので、参考にしてください。
 

point.5 上手に外部の手を借りる

調査表作成、グループインタビューのファシリテーター(進行役)、データ分析など、専門家でないと難しい項目があります。一部分だけ専門家に頼むことも可能ですので、予算の範囲内で自分で行う工程、専門家に頼む工程を組み合わせましょう。インターネット調査やチャットインタビュー調査など、ローコストの調査手法も活用してください。


 
 
 
 

事例から学ぶ市場調査

 

では、企業は実際に市場調査をどうマーケティングに活かしているのか、2つの事例を紹介します。
 

<事例1>
徹底した市場調査で1斤250円の食パンが大ヒット
セブン&アイホールディングス「金の食パン」

 
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セブンプレミアム ゴールド
 
 
○調査目的:1)消費者の消費マインドの確認
2)味や食感に対する消費者の反応確認
3)妥当価格の算出

○調査手法:公開情報精査、ホームユーステスト、テストマーケティング
 
「セブン-イレブン」や「イトーヨーカドー」などを擁するセブン&アイグループさんは、それまで低価格品が当たり前だったプライベートブランドで、「セブンプレミアム」という高価格商品をヒットさせました。特に「金の食パン」は1斤250円という高価格ながら大ヒットしました。
 
既存メーカーが「絶対売れない」と断言したにも関わらず、セブン側には勝算があったとか。それは、3年に1度行われて公開もされている野村総研の「生活者1万人アンケート調査」を精査し、消費者のマインドが「安さ」から徐々に「値段が高くとも品質のいいもの、おいしいもの」へと移ってきていると分析したからでした。
 
慎重を期して、同社のモニタ組織「プレミアムライフ向上委員会」の約200名の消費者に「金の食パン」と競合の1斤300円食パンを家庭に届け、ホームユーステストを実施。7割が「金の食パン」の方がおいしいと回答したそうです。
 
さらに神奈川県のセブン-イレブン160店舗でテストマーケティングとして販売し、価格が1斤250円に決まりました。そうして何重もの調査やテストを行うことで、新紹介を磨き上げていったそうです。
 
参考記事: PRESIDENT Online
 
 

<事例2>
徹底したリサーチ主導で新商品開発
アサヒビール「ドライゼロ」

 
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アサヒ ドライゼロ
 
 
○調査目的:1)ノンアルコールビールの飲用状況、ニーズの把握
2)競合ブランドのイメージ測定
3)複数の試作品、パッケージ案からの採用案選定

○調査手法:インターネット調査、グループインタビュー、モニター調査
 
健康志向や飲酒意識の変化などを背景としてすっかり一般化したノンアルコールビール市場。アサヒビールは2010年に「ダブルゼロ」という商品で参入したものの、シェアわずか2%と低迷し、浮上の気配がありませんでした。しかし2年後には徹底した市場調査を行って開発した「ドライゼロ」を発売、これがシェア24%を超える大ヒットとなりました。
 
市場調査はまず、延べ5000人以上という大規模なインターネット調査とグループインタビューを実施。消費者はノンアルコールビールに対して、カロリーゼロといった機能性よりも「ビールに近い味」を求めている人が多いことを突き止め、味に絞った新商品開発を進めたそうです。そして調査結果を分析した結果、ターゲットも「ビールを飲まない層」ではなく、「ビール愛飲者」に設定。使い分けや休肝日を利用シーンに想定したそうです。
 
さらに、複数の試作品と複数のパッケージ案を作成し、モニター調査の結果によって採用を決めるなど、徹底した調査主導の新製品開発を行ったそうです。
 
参考:ITpro


 
 
 
 

【特別付録!】市場調査11手法の費用と納期を大公開

 

最後に、今まで説明してきた調査手法の費用と必要期間を一覧にまとめました。調査を任されたら、この表を参考に調査を組んでみてください。
 

定量調査の費用、納期一覧表

概要 費用の目安 納期の目安
インターネット調査 インターネットを利用した調査で、調査票の作成から実査、集計までを自社で行う「セルフ型」と、全て専門会社に依頼して行うタイプがある。 500サンプル・5万円~
500サンプル・約20万円
最短2日
訪問調査 調査員が調査対象者の自宅へ訪問しアンケート調査を実施 100サンプル・220万円~
1000サンプル・600万円
6週間程度
電話調査 調査員が電話で対象者にアンケート調査を実施 150サンプル・45万円~
100サンプル・50万円~
約3週間
街頭調査 街頭などの人が多いところで、対象者を見つけ、直接アンケートを行う調査。事前に用意された対象者ではないので、調査に時間がかかる場合もある。 100サンプル・50万円~ 3週間程度
郵送調査 調査票を対象ユーザーに郵送して行う調査 100サンプル・80万円~
500サンプル・50万円~
6週間程度
会場調査 事前に準備された会場で調査対象者に製品などの感想を回収しデータ化 50サンプル・40万円~
200サンプル・100万円~
約4週間
ホームユーステスト ユーザーに家庭で商品を使用してもらい、使用した感想などを調査する手法。ユーザーに調査票を返送してもらうか、調査員が直接訪問し、回収するパターンがある。 100サンプル・150万円~
110サンプル・約35円
6週間程度

 

定性調査の費用、納期一覧表

グループインタビュー グループでのユーザーインタビュー 2グループ・100万円~
1グループ・約10万円
4週間程度
デプスインタビュー 個人に深く聞くユーザーインタビュー 3名・50万~
5名・約40万
4週間程度
行動観察調査
(オブザベーション)
先入観をもたず、ユーザーの行動を細かく観察し、行動パターンや心理を知る調査 3名・200万円~
60サンプル 41万円~
※動画によるサンプル回収
約2カ月
ミステリーショッパー モニターが客となって該当店舗へ訪問し、(店舗に気づかれないように)実際の購買行動を行いながら、従業員のサービスや、商品の陳列状態や清掃状況など、店舗の現状をチェックする。 30サンプル・100万円
30サンプル・約65万円
約6週間

※詳細は各社にお問い合わせください。
※参照:2017年11月6日現在各社の情報に基づきます
https://www.macromill.com/service/net_research/
https://www.fast-ask.com/about/charge_detail.html
http://www.mxa.co.jp/service/service09.html
https://www.rjc.co.jp/research/service/visit/
https://researchcom.jp/price/
https://www.marsh-research.co.jp/pricelist/


 
 
 
 

まとめ

 

市場調査は当たり前ですがコストと時間がかかります。コストが発生するということは、それを捻出しなければならないということ。つまり、会社に対して「費用対効果」を明確にする必要があるということですね。ということは、市場調査で最も重要なのは、「どの調査を選ぶか」や「どのようにやるか」ではなく、「何のためにやるのか」、そして「そこから得られる効果」を明確にすることだと言えます。「その調査で何を実現するのか」。まずはそこをしっかりと検討してみてください。
 
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