【 活用事例つき 】 企業アカウントのTwitterアンケートは効果があるのか?
目次:
- Twitterのタイムラインに企業や団体のアンケートが増えてませんか?
- SNSでのアンケートはTwitterがダントツで回答率高し
- そもそもTwitterアンケートって? 仕組みと作り方
- Twitterアンケートの使い所と活用事例
- 【結論】Twitterアンケートは回答よりコミュニケーション重視
Twitterのタイムラインに企業や団体のアンケートが増えてませんか?
突然ですが、さきほどTwitterのタイムラインに、「触れてみたい刀剣は以下のどれですか?」というアンケートが流れてきました。
【体験イベント/アンケート】
平成30年2月24日(土)~25日(日)開催の「幸せの1分間~刀に触れる体験~」対象刀剣について、アンケートにご協力をお願いいたします。
加州清光、長曾祢虎徹、同田貫正国、和泉守兼定(十一代)に加え、触れてみたい刀剣は以下のどれですか?#アンケート— 日本刀剣博物技術研究財団 (@hakubutugizyutu) 2018年1月30日
生まれてから一度も考えたことがなかった問いかけです。しかも、アンケートにありがちな「どれでもない」「わからない・知らない」といった日和見的な回答欄はありません。刀剣女子が話題になっているとはいえ、部外者の存在をきれいに斬ったアンケートです。
質問の主は戦国ゲームファンの個人ではなく、日本刀剣博物技術研究財団。ちゃんとした組織です。最近Twitterのタイムラインに、こういう企業や団体が投稿しているアンケートやアンケート兼キャンペーンを見かける機会が増えてきた気がしませんか。
刀剣のアンケートでも、まだ募集中ながら投票数は2852票。回答者の嗜好は偏ってるかもしれませんが、結構な数ですよね!財団のアカウントのフォロワー数は3950人なので、しっかり見てもらっていることがよくわかります。ワタシ同様、362もあるリツイートで見た人も多いでしょう。
SNSでのアンケートはTwitterがダントツで回答率高し
ただし、SNSのアンケート機能はTwitterに限ったものではありません。Facebook、Instagram、LINEにもアンケート機能はあります。実際、どれくらいの人がSNSのアンケート投稿に回答したことがあるのだろう、ということで、MRCで定量調査してみました。
参考調査:モバイル&ソーシャルメディア 月次定点調査(2018年1月度)
結果、だいたい4人に1人が回答したことがあるという結果に。Twitterだけが回答経験者4割とダントツの多さです。
「見たことがある」という回答率も他のSNSより高く、アンケート機能はTwitterが注目度が高く、回答者も多いことがわかります。
回答者の性別、年代別の傾向を見ると、男女比はやや男性のほうが高く、年齢層は若年層ほど回答していることがわかります。
Twitterが他のSNSよりアンケート機能が使われている理由としては、
Facebook=実名では自分の意見や趣味嗜好を公表しにくい
Instagram=ストーリー機能に限定で、2択しかないので使いにくい
LINE=SNSよりはメッセンジャーとしての使われ方が多いのでアンケートは馴染みにくい
といったところでしょうか。
一方、SNSアンケートには、「どんな人が」「どんな目的で」回答しているの?
という素朴な疑問については、今回もチャットインタビューサービスの「Sprint」でユーザーインサイトを探っていきたいと思います。
解説:「Sprint」とは?
ジャストシステムが2017年8月にリリースした、「わずか5分でターゲットとなる消費者に出会えるチャットインタビューサービス」で、インターネット上で定性調査のインタビューができます。従来のリアル・インタビューよりもはるかにスピーディーで低コスト、リアルタイム性があるのが大きな特徴です。
■チャットインタビュー1■
Aさん/女性/10代後半/フリーター/未婚/中部地方在住
「匿名なのでよく気軽に回答しています」
事前の5分間のスクリーニングでたくさんの応募をいただきましたが、「Twitterでのアンケートは匿名で気軽に参加できるため、よく回答している」というAさんを選びました。
回答するのは、興味関心のあるテーマが中心とのこと、「アンケート結果が見られるのも嬉しい」そうです。
プレゼント抽選への参加も兼ねて行われているアンケートに回答することも多いとか。
直感的に回答できるアンケートや、アンケート回答者限定の特典付きアンケートがよく目に付くそうです。つまり、ユーザーの注目を集めやすいということでしょう。回答者限定の動画などもたまに見る気がしますね。
知らなかったのですが……、アンケートのプロモ(広告)ツイートもあるようです。Aさんに教えてもらいました。10代のITリテラシーの高さには驚かされます。
プロモツイートだと、ユーザーが回答することで、ハッシュタグ付きでリツイートする形になるので、拡散しやすいのではないか、というのがAさんの意見。ただ、リツイートすることには抵抗があるため、回答しないことが多いそうです。
ただ、全般にアンケートには好印象をお持ちのようです。企業アカウントでなかなかツイートを見てもらえないという向きにはピッタリじゃないでしょうか。
そもそもTwitterアンケートって? 仕組みと作り方
Twitter事情に詳しく理知的なAさんのおかげで、いろいろ勉強になりました。プロモツイート(広告投稿)でアンケートできて、普通の投稿でアンケートする場合と回答時の対応が違うというのは知りませんでした。ここで、「Twitterアンケート」について勉強してみます。
Twitterアンケートは、正式名は「投票機能」で、Twitterが公式に実装している機能だとか。作り方は簡単。
普通にトップページで「ツイート」ボタンを押します。PC画面で例を出しますが、スマホのアプリでも同様です。
下左から3番目の棒グラフのアイコンを押すと、アンケート作成画面が出てきます。
1)質問:文字数116文字まで
2)選択肢:デフォルトは2択、追加で4択まで増やせます。文字数は各20文字まで
3)投票期間:7日先まで
を入力してツイートするだけ。
と、こんな風に投稿されます。
ユーザーは投票すると、結果画面を見ることができます。投票時に見ることができ、投票期間が終了したら通知が届くので、最終結果も確認できます。たとえば……。
明日の節分、みなさんは…
— Twitter Japan (@TwitterJP) 2018年2月2日
ワタシは今年は豆はまかず、韓国風の恵方巻きを食べました。そんなカミングアウトはどうでもいいですね。
Aさんが「プロモツイート」と教えてくださったように、作成したアンケートを広告として配信することも可能です。
広告管理画面からアンケートを作成するのではなく、ホーム画面で作成したアンケート入りツイートを、広告管理画面で広告として選択し、ターゲットをセグメントして配信するという仕組みです。アンケート付き広告は、一般的な広告よりもスルーされにくい傾向があるので、特に見て欲しいターゲットが明確な場合は試してみるといいかもしれません。
Twitterアンケートの使い所と活用事例
Twitter利用者の4割以上が回答したことがある「アンケート機能」。普通の告知ツイートよりは確実に注目度が高く、絡んでもらえる可能性が高いだけに、うまく活用したいところです。
既に活用している企業は、どんな目的を持っているのか、活用事例をご紹介します。
1)新商品開発の意見を聞く
BLUEBIRDS AUDIO/フォロワー 361人、投票数 309人
アンケートにご協力ください!
近日中にイベントに出す予定の機種のデザインで今悩んでます。。
エフェクターの種類と機種名は敢えて伏せますので直感で好きなの教えていただけると助かります!
一応モチーフはクジラです。
リプライにアンケートをつけますm(_ _)m#BluebirdsAudio pic.twitter.com/POh1aQjZ1F— BLUEBIRDS AUDIO (@bluebirdsaudio) 2018年1月31日
「新商品のネーミング、デザインなどを消費者に直接聞いちゃおう」というアンケートです。たとえばこの事例は、新商品のデザインに悩んで聞いてみています。デザインを選んでもらう場合は、上のように画像で付ける場合と、自社サイトで見てもらう方法があります。結局、デザインはアンケートの回答で決めたそうです。
アンケートご協力ありがとうございました!
367票も頂きとても参考になりました!
一番人気だったAと2番目のDで製作を進めようと思います!個人的にはCがお気に入りでした笑 https://t.co/Cwet9HhEd7
— BLUEBIRDS AUDIO (@bluebirdsaudio) 2018年2月1日
このパターンでは、ゾゾタウンの前澤社長がツイートした、プロ野球・ロッテの球場ロゴのデザインを選んでもらうTwitterアンケートが話題になりました。
「ZOZOマリンスタジアム」のメインロゴを投票で決めたいと思います。スタジアム正面に設置されます。ロゴ候補は下記URLをご覧ください。皆様の一票よろしくお願いします!https://t.co/y6F2UE0n0o
— Yusaku Maezawa 前澤友作 (@yousuck2020) 2016年11月30日
回答の多かった1と2を併用していくそうです。
2)イベントを盛り上げる
サッカーキング/フォロワー516,264人、投票数 24,792票
🇪🇸クラシコ直前アンケート🇪🇸
ぶっちゃけ、みんなはメッシ派? C・ロナウド派?
◆バルサ&レアルドリームイレブンに投票して
クライフ氏のサインユニをゲットしよう!
投票はこちら↓https://t.co/pfcZOjl7gq— サッカーキング (@SoccerKingJP) 2016年4月1日
サッカー情報誌の試合直前アンケート。こういう際はわかりやすい2択が盛り上がりますね。その後の議論を呼びやすいですし。「投票したからには応援しよう、見に行こう」となりやすい流れにもなりやすいでしょう。勝ち負けのあるスポーツがやりやすいですが、たとえば「屋外イベント直前の天気予測」など、当日への興味を引く方法はありそうです。
3)回答者と一緒に創り上げる
クリニーク/フォロワー 88,063人、投票数 1156票
🎄Merry Cliniqueキャンペーン #ドキドキ140字ストーリー 第1話🎄
—
気付いたらクリスマスまで1ヶ月❄
最近気になるあの人と一緒に過ごしたいけど、彼は予定あるのかな…。気になる!そんな時、あなたなら…
— クリニーク 公式 (@CliniqueJp) 2015年11月26日
クリスマスのデート、あなたならどうする?をアンケートで聞き、ストーリーを変えていく「#ドキドキ140字ストーリー」。全10話で彼へのアプローチ、デートまで進みます。投票数は第1話で1156票、最終アンケートの第9話でも756票と、かなり興味を繋ぎ止めることができています。参加型だからこそと言えるでしょう。
4)ユーザー自身のことを聞く
神戸新聞/フォロワー 97,570人、投票数 1,133票(開始後6時間時点)
【アンケート】義理チョコ、どう思いますかhttps://t.co/30WcycYB0G
「日本は、義理チョコをやめよう。」という企業の新聞広告が話題になっています。義理チョコをどう思いますか?自分チョコや友チョコなど、義理チョコ以外のあなたのバレンタイン事情もコメントでお寄せ下さい。— 神戸新聞 (@kobeshinbun) 2018年2月3日
ユーザーの意見、生活パターン、趣味嗜好、行動、経験などを聞くアンケートです。結果を活用するというよりも、話のタネ、議論誘発という目的が強いでしょう。いかにタイムリーな話題と、回答がほぼ同数になりそうな選択肢を用意できるかがミソです。
参考サイト:
Twitterマーケティング|投票事例の活用事例
【結論】Twitterアンケートは回答よりコミュニケーション重視
事例を見ていると、企業がアンケートを実施する目的は、アンケート結果そのものより、顧客との「コミュニケーション」や「共創」を主眼に置いていることがわかります。定量調査として、公正なアンケート調査をTwitterアンケートに期待している企業は少ないでしょう。
ある程度「ノリ」でアンケートの質問や選択肢を考えて、顧客との接点を増やし、柔らかいコミュニケーションで、エンゲージメントを高めるのに有効な手段のひとつだと言えそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。今回紹介した「インターネットの利用に関するアンケート」は、無料でダウンロードできますので、ぜひ。記事に共感いただけましたらシェアやFacebookページのいいね!もぜひ。
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