第2回「「お店に誰と行くか」を聞く場合の注意点」
今回のテーマは、「「お店に誰といくか」を聞く場合の注意点」です。汎用性の高いテーマですので、活用する機会も多いと思います。
マーケティング担当さっそく、先日、就寝時間と起床時間を聞くアンケートを作る機会がありまして、第1回目の「時間帯を聞く場合の注意点」が役に立ちました。時間だけ聞くアンケートなので、第1回目のノウハウだけで簡単に出来ました。
リサーチャーそれは実にいいことですね。基本をしっかり押さえれば、いろいろな調査に応用できますからね。
マーケティング担当はい、ありがとうございます。第2回目はいったい、何を教えてもらえるのでしょうか?
リサーチャーでは、テーマを発表しますね。今回は「「お店に誰と行くか」を聞く場合の注意点」です。
マーケティング担当「お店に誰かと行くか」ですね。最近は「ぼっち飯」などの言葉もありますから、こういう話題は興味があります。
リサーチャー「誰と●●をする」という質問は多くの場面で使うことになるので、今回のポイントも非常に役に立ちますよ。では、以下はアンケートを見ていきましょう。
マーケティング担当このアンケート回答の分類がきっちりしていて答えやすく、問題がないように見えますね。
リサーチャーまだまだ甘いですね。ではここで質問ですが、スターバックスには行ったことがありますか?
マーケティング担当はい、もちろんあります。
リサーチャーでは、誰と一緒に行くことが多いですか?
マーケティング担当誰かな…誰って言われても、えっと…
リサーチャーやはり、そうなりますよね。では、もう一度お聞きします。スターバックには誰と行くことが多いですか?最近の例でよいので、教えてください。
マーケティング担当最近の例なら、同僚がかなり多いですね!あ、なんか今すごくスムーズに答えが出ました。なんでだろう?
リサーチャーですよね。例えば、現実的に考えて、「選択肢の複数に該当する可能性が高い設問」は、回答者が戸惑う可能性があるんです。現にあなたは戸惑いましたよね。そういう場合は、「最も多いパターンを」「最も最近の例で」という条件を加えて、シングルの選択がしやすくなるような設問の表現にする必要があるんです。以下のようなアンケートに変更してみましょう。
マーケティング担当これだと、イメージが湧くのでだいぶ答えやすくなります。
リサーチャーでは、イメージしやすくなったところで、再度お聞きします。今までスターバックスに行くときは、誰と一緒に行くことが多かったですか?
マーケティング担当やっぱり、男友達ですね。今だと同僚と仕事について語り合ったりしてますね。休みの人は一人で行くことも多いです。恋人とは行ったことがありません。
リサーチャーはい、そういうことです!
マーケティング担当えっ!?どういうことですか?
リサーチャー今、複数回答しましたよね。この調査票【答えは1つです】となっていて、1つしか回答できなくなっているんです。
マーケティング担当ほんとですね。
リサーチャーあなたは自然な会話で複数の回答が出ましたね。ということは、シングルではなく、マルチ(複数回答)の設問をとる方法もアリだということです。「最も多いパターンを」「最も最近の例で」というような条件を加えない場合は、複数回答にするようにしましょう。
マーケティング担当これだと、回答が進みますね。会話感覚でチェックしていけるので、離脱を防ぐことができて、回答率もぐっと上がります。
リサーチャー何度も言いますが、調査票で押さえるポイントはシンプルです。それは1つ1つの細かいことをに気を使うことです。調査票はコミュニケーションですよ。
マーケティング担当はい、しっかりと理解することができました。
リサーチャー今回はこれで終了です。「「お店に誰と行くか」を聞く場合の注意点」、それはシングル回答なら「最も多いパターンを」「最も最近の例で」という条件を加えて答えやすく、もしくは、マルチ(複数回答)に切り替える、いいですね?
マーケティング担当はい、きちんと理解できました。本日もありがとうございました。
更新情報を
WEBプッシュでお届けします。